スパンコール付きマスク

2020年、コロナ禍の現在、日々の生活の必需品と言えば、マスク。
外出時には、マスク着用がマナーとなりました。
一時使い捨てマスクが品薄となったのを機に、布マスクを手作りされる方も多いと思います。

ハンドメイドのマスクは、何と言ってもそのデザイン性が魅力的です。
それぞれのお顔にフィットするように、パターン(型紙)や紐の長さを調整出来ますし、お好きな色、柄、装飾を施すことが出来ます。
毎日身に付けるマスクなら、お洋服やアクセサリーに合わせて、オリジナリティーを出せたら嬉しいですよね。

今回、【小さな手芸屋さん】のお客様が、当店でご購入頂いたフランス製スパンコールを使って、とても素敵なマスクをお作りになったのでご紹介します。

スパンコールを刺繍したマスク

顔馴染みの良いナチュラルカラーの生地で作られたマスクに、スパンコールがキラキラと輝き、アクセントになっていて、とても素敵です。
スパンコールも、平丸、ソレイユ、お花型とバリエーションがあることにより、それぞれの異なった煌めきが目を引きます。
また、ダークカラーのマスク紐によって、全体が可愛くなり過ぎず、シックなデザインにまとまっています。

スパンコールは一つ一つ手で縫い付けられ、正にオートクチュール刺繍。
ビーズ刺繍針で、スパンコールの外から中心の穴に向かって、ステッチします。
丸いスパンコールは三方向から、お花型スパンコールはそれぞれの花弁の間をステッチして縫いとめます。

この方法なら、マスクを仕立ててからでも、あるいは市販の布製マスクにも、刺繍することが可能です。
当店とっておきのスパンコールを素敵な作品に使って頂けて、お客様の毎日に彩りを添えることができ、こちらとしても、とても嬉しく思います。

スパンコールを着けたマスクや衣類は、家庭用のおしゃれ着洗いなどを使い、水で手洗い(またはネットに入れて手洗いモード)、陰干しです。

クリーニング屋さんでドライクリーニングをすると、スパンコールは溶けてしまいます。
高温のアイロンを長時間当ててしまうと、ドライクリーニング同様にスパンコールが溶けてしまうので、ご注意ください。

マスクを着けていると顔の大半が覆われてしまい、どうしても表情が控えめになってしまったり、感情も伝わりにくかったりします。
自分だけのオートクチュールマスクを身に付けると、自然に気分もウキウキと上がるかも・・・?
また、普段、お化粧で顔に色味を付けたり、アクセサリーで着飾る様に、マスクでも、スパンコールを付ける事によって、華やかさや自分らしさを演出できます。

魅力的なスパンコールの数々を、ホームページからもぜひご覧ください。

オートクチュール刺繍のお店 小さな手芸屋さん

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Chanel マドモアゼルプリヴェ展で見たオートクチュール刺繍

シャネルのオートクチュールの世界が体験できるエキシビジョン「マドモアゼルプリヴェ」を見てきました。
東京の天王洲アイルで12月1日まで開催しています。

何千時間もかけて製作されたドレスやダイヤモンドジュエリー、バカラの瓶に入ったNo.5、ひたすらに全てがラグジュアリーなエキシビジョン。
壁面を飾るのは、パリのカンボン通りあるシャネルのアパルトマンを彷彿とさせる現代的なドローイング。

中でも印象的だったのは、刺繍で装飾されたドアの数々。
シャネルの傘下にある刺繍アトリエルサージュ、同じくモンテックス、羽飾りのルマリエの装飾が施された世界に1つしかないドアたちです。
(ドアというか、パネルとも言えるかも、、、)
ウィットに富んでいて、エレガントで、職人技で、、、とシャネルのクリエイションの世界を伺い知れます。

私が行った時は刺繍アトリエモンテックスのワークショップもやっていました。(11月3日まで)
とても大きな刺繍枠に張ったシルク生地に、参加者みんなでスパンコールやビーズ・パールを刺繍して、共同で完成させるという企画です。
出来上がった刺繍はあとで着物に仕立てられ、六本木の店舗(?)で飾られるそうです。

教えてもらえるテクニックなどはないですが、シャネルのアトリエのワークショップに参加して刺繍している!という状況に大興奮です。
使わせてもらったスパンコールの数々はどれも高価でいいもので手が届かないようなものばかり。
パリの職人さんたちは最高にいいものに囲まれた中で刺繍ができて、本当に羨ましいなと思いました。

昔は私もそれが夢だったけれど、もう叶うことはないんだなとしみじみ思います。
本物の世界に少しだけ触れられて、今のままではいけないなとも実感し、頑張りたいような頑張りきれないような気持ちにもなりました。

ワークショップの開催中は、機会に恵まれれば見学もできるそうです。
モンテックスの刺繍サンプルがいくつも飾られているので、刺繍する人もしない人も一見の価値ありです。

本物のオートクチュールがどんな世界かを体験できる貴重なエキシビジョンです。
規模は小さいですが、オートクチュール刺繍をやる人はぜひ見に行かれてください。クリエイションの源になるはずです。

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パリの刺繍学校

いますぐパリ行きの飛行機に飛び乗りたい、、、
ルサージュ仲間の下村小百合さんの著書「パリの刺繍学校」を読んで、一番こみ上げてきた感想です。
小百合さんの体験談と自分の思い出が重なって、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

「パリの刺繍学校」は、エコール・ルサージュという刺繍学校への留学体験がきめ細やかに記された本です。
オートクチュールの刺繍を数多く手がける刺繍アトリエ「ルサージュ」がそのエコールを運営しています。
ルサージュはフランスでも世界でもとっても有名なアトリエです。ファッションなんて何も知らないような養父でさえ知っていて、嫁の私がそこに通っているということを自慢にしていたくらいです。

私が通っていたのは2011年から2012年のこと。
著者小百合さんの渡仏の時期と前後して、私も同じように毎日の宿題に追われ、初めての海外生活に喜びと切なさを感じ、刺繍をめいいっぱい楽しんでいました。
当時新婚だった私は、結婚式の資金や貯金のほとんどをその時に費やしてしまい、その結果、結婚式は今も挙げないままに、、、試着でもいいからあの時にドレスを着ておくべきだったと少し後悔の念も笑

「パリの刺繍学校」に出てくる先生方の中で、私が一番尊敬していたのが名物(?)フロランス先生。とっても気分屋でキツいけど、刺繍は誰よりも美しく論理的で、彼女に教えてもらえる日はいつも特別でした。

帰国してもしばらくずっと、刺繍中にフロランス先生の教える声がエコーのように頭に鳴りに響いていました。
守護霊のように聞こえていたその声はいつしか消え、今わりに鳴っているのは自分が生徒さんに教える声。
ようやく私も刺繍の技術を自分のものにできはじめたのかもしれません。

フロランス先生との大事な思い出がひとつ。
ルサージュでのカリキュラムが終りに近づいて来た頃、帰国したくなかった私は、思いきって彼女にこう聞きました。
「どうしたら刺繍の世界であなたのようになることができますか?」と。
その返答には思いもしなかった言葉、忘れることはできません。
フロランス先生はいつもの調子でこう答えてくれました。
「ルサージュで先生をすれば?日本人の生徒さんも多いし、ちょうど先生を探しているところだし。あなたは上手だから、仲のいいディレクターに推薦してあげるわよ」
まさかこんな風に言ってもらえるだなんて、とても嬉しくて、まるでフロランス先生から勲章を授けてもらえたように思えました。
結局はそのオファーは家族の都合と英語が必須という理由から申し込むことはありませんでしたが、その勲章が後ろ盾となって、日本で活動を始めて今日までひた走れた気がします。

小百合さんの本を読んで久しぶりにフロランス先生の教える声を思い出し、パリの街並みや空気に触れたい気持ちが高まりました。
ルサージュが憧れの方、刺繍が好きな方、これから留学してみたいという方にはぜひ読んでもらいたい本です。


【パリの刺繍学校】
著者・下村小百合さんのホームページで販売中です。http://parisbroderie.leesworld.info/

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1810年、リュネビル刺繍、歴史のはじまり

リュネビル刺繍の歴史のおはなし。

技法が生まれたのは1810年のフランス、リュネビル地方。
当時はビーズやスパンコールを刺繍するためではなく、チュールの上に糸で刺繍してレースのように見せるための技法でした。
聖職者の法衣、祭壇布、洗礼用のドレスや帽子によだれかけ、ショールなどが作られ、リュネビル地方の特産となりました。

クロシェという鋭利なカギ針を使うリュネビル刺繍。
まだ家内制手工業が盛んだったその時代、クロシェの使いやすさはその地方の刺繍職人たちの間で話題となり、大きな流行となったそうです。
その後、ビーズやスパンコールにもリュネビル刺繍が活かされ、オートクチュールの歴史とともに今に至ります。

2回の世界大戦をはさんで刺繍もファッションも衰退ムードになりますが、人々の熱意によって見事復活し、発展し続けています。
それはフランスだけでなく日本でも。

オートクチュールの文化はないけれど、その美しさに魅了された私たちなりに、この伝統技術を育んでいけているのかなと思います。
まさか遠く離れた日本の地でこんなにリュネビル刺繍が人気だなんて、当時の職人たちは想像もできなかったでしょうね。

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オートクチュールの歴史、おすすめの本

オートクチュール、オートクチュール刺繍、いろいろ聞くし、なんとなくわかるけど、本当のところ、オートクチュールってなんだろう???って思いませんか。

オートクチュール(haute couture)とは、高級仕立て服のファッションビジネスです。
フランスのパリを中心として、1860年代から続いているシステムで、実はとても細かい定義の上に成り立っています。

例えば、
制作方法…顧客かモデルの身体を使って1回以上の仮縫いを行い、外注せずに自社で制作すること
発表方法…オートクチュール組合が定めた日程で、パリで年2回のショーを行うこと
企業規模…20人以上の従業員、商業登録、行政による承認
などなど、厳密なルールが存在します。

オートクチュールのドレスは1着で600万から700万円もする超高級品。
1943年に2万人にものぼった顧客数は、1990年には200人にまで減ってしまったそうです。

そんな歴史的背景や数々のオートクチュールメゾンについて詳しく書かれているとてもいい本に出会いました。
ビジネスと香水の関係、高級プレタポルテの発祥、今後の業界の行方など、、、全般的にとっつきやすく説明されていてスイスイ読めました。
オートクチュールについてより良く理解することができた、まさにバイブル!
おすすめです。

文庫ク・セ・ジュのオートクチュール

amazonで売ってます。→→→ オートクチュール: パリ・モードの歴史 (文庫クセジュ)

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オートクチュールファッションの展覧会

「モードとインテリアの20世紀展」(パナソニック汐留ミュージアム)に行ってきました。

年代を象徴するようなドレスやファッションプレート(昔のファッション誌みたいなもの)が見れます。
ポワレにヴィオネ、シャネル、ディオール、バレンシアガなどのオートクチュールのドレスは、やはりひときわ美しいです。

年代ごとにマネキンのボディラインが変わっていくのも興味をひかれました。
1920年までは鳩胸で、首も寸胴な感じで、the クラシックって感じですが、以降はバストも現代の位置になり、首や肩周りもほっそりと変わっていきます。
22世紀になったとき、今の女性の体つきを見たら「なんか古い〜」となるのでしょうか・・・

以前のオートクチュール展に引き続き、最近はファッションの展示が多い東京です。
今回のはこじんまりしたボリュームなので銀座散策のついでに寄ると満腹感を得られそうですヨ。

「モードとインテリアの20世紀展」
 http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/16/160917/index.html

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シャネル風オートクチュールスパンコール

ハンドペイント仕上げの超スペシャルなスパンコールが入荷しました。
まさにオートクチュールなクオリティ!

シャネルツイードを模したこのスパンコール。
2012年のオートクチュールコレクションでシャネルが使用したものをフランスのメーカーに特別に作ってもらいました。
刺繍すればとってもリッチ、モードの香りが漂います。

円形にカットされる前はこんな風に色づけされています。

シャネルツイードスパンコール

ところどころ入っているシルバーや紺のラインは、なんと手書き!!
こんなに贅沢なスパンコールは他にないのではないでしょうか。
ワンランク上のものづくりにぜひ取り入れてほしい特別なスパンコールです。

柄入りスパンコールを活かすデザイン

柄入りスパンコールは見ているだけでも綺麗ですが、いざ刺繍にしようと思うとどうしようかな、、、と。
せっかく模様が入っているのだからそれを活かすように使いたいですよね。

こうした特別なスパンコールはいわば「フォアグラ」。
小細工なしでその素材をどーんと見せるようなデザインがいいと思います。
小さいものよりも大きいもの、おすすめは花びらの大きいコサージュ。それかこのスパンコールをびっしり刺繍しただけでも素敵なポーチ類にできそうです。

オートクチュール刺繍の花コサージュ

作品例のコサージュは花びらや葉っぱの周りにワイヤーを仕込んでいます。ワイヤーはスパンコールをつける前に、リュネビル刺繍の小さなチェーンステッチでジグザグ縫い止めます。出来上がったら端の始末はハサミでカットするだけ。立体感も自由自在です。

フランス製スパンコールの刺繍

使用したスパンコールやビーズは小さな手芸屋さんで販売しております。

【糸通しスパンコール】5mm平 ツイードブルー

【糸通しスパンコール】4mm亀甲 オーロラパウダーブルー【1000枚】

【スワロフスキー】3mm ラインストーン クリスタル【3個セット】

【チェコ製・糸通しビーズ】13/0 シャーロット ベビーブルー

【ヴィンテージ糸通しスパンコール】4mm平 ミントシュガー

【糸通しスパンコール】4mm平 オーロラアイスグリーン【1000枚】

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オートクチュール刺繍の1dayレッスンのお知らせ

オートクチュール刺繍の1dayレッスンのお知らせです。
レッスンでは写真のブローチをお作りいただけます。
クロシェ・ド・リュネビルの基本からビーズ付けのステッチ、リボン刺繍、フランス刺繍などなど、盛り沢山な内容です☆
毎回お越しの方には、本当に1日でできてしまうのですか?と少々不安なお声もいただきますが、大丈夫です!
初心者の方でもどなたでも完成してお帰りいただけるようにしっかりご指導いたしますよ〜。


日程:2016年7月10日(日) 終了いたしました
   
時間:10:30〜17:00(12:30〜13:30はランチ休憩)
*終了時間が延びる場合もございます。お時間には余裕を持ってお越しください。

場所:株式会社アポロン様のオフィス
   〒112-0001東京都文京区白山4-22-14
   最寄駅は「白山」(都営三田線)、下車徒歩7分ほど

定員:3名様

お申し込み方法:
アポロン様のホームページより、メールにて受け付けしております。
詳しくはこちらのアポロン様のサイトをご覧ください。


7月の開催の後は9~11月に1dayレッスンを予定しております。

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オートクチュールの展覧会

パリのオートクチュールの発祥から現在に至るまでの近代モード史の展覧会「Paris オートクチュール 世界に一つだけの服」に足を運んできました。

オートクチュールの骨組みを作ったシャルル・フレデリック・ウォルト、
婦人服に大きな変革をもたらしたポール・ポワレ、
バイアスカットを発明したマドレーヌ・ヴィオネ、
ディオールから帝王サンローラン、シャネルらのアイコン的な作品が一堂に会する滅多にない展示内容。

今となってはファッション史でしか見られない歴史的なスタイルを、手が届くほど近くにじっくりと鑑賞でき、これらを実際に来ていた時代・人たちがいたのか、、、とその存在感をとても身近に感じました。
特にポール・ポワレの直筆デッサンは、彼の描いている様子や仕事場の雰囲気まで勝手に妄想してしまうような生々しさがあり感銘を受けました。
彼はコルセットから女性のウエストを解放し、女性のライフスタイルを変革した20世紀で最も偉大なデザイナーの一人でもあります。

刺繍ものの作品ももちろん勉強になりましたが、この展覧会の見所はその歴史にあると思いました。
ファッションとは、色とか形とかそんな上っ面な部分だけではなくて、理想の女性はこうあってほしい、こうあるべきみたいなデザイナーの夢や欲望がベースとなっています。
それが社会背景と絡んで女性のライフスタイルや社会的地位をも変えるような波をいくつも興してきたのです。
普段は全く意識しないことですが、私たちはそうして進化してきた「洋服」を身につけて生活しています。
その進化の歴史を知ることで、これからの自分のファッションや物作りのスタイルはこうでありたいな、みたいな哲学を再認識できる機会になると思いました。

オートクチュールの展覧会のドレス

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