モコモコ糸、シュニーユ chenille

オートクチュールの刺繍にいろどりを与えてくれるのはビーズやスパンコールだけではありません。
刺繍糸やメタリック糸、ツヤツヤのシルクの釜糸(日本刺繍で使う糸)、カサカサした風合いのラフィア(カゴバックの糸みたいな)、そしてふわふわモコモコのシュニーユ。

シュニーユ(モール糸)はフランス語で「chenille」と書きます。意味は「毛虫」。毛虫のようにモコモコしてるからchenilleと呼ばれているのでしょう。
素材はレーヨン、シルク、ポリエステルなど種類によってさまざま。やっぱりシルクは艶やかでしなやかで毛足も繊細です。

シュニーユいろいろ

シュニーユ・モール糸の使い方

刺繍するときは太めの針を使います。
そのとき、毛足を少しむしって芯糸を出して、針の糸通し穴に結びつけてやると刺繍がしやすくなります。
あと、シュニーユは毛皮などど一緒で毛並みがあるので、並毛(毛並みがなだらかに感じる向き)で針に通してやります。

モール糸の刺繍のやり方

ふわふわしたテクスチャーがビーズやスパンコールの輝きにアクセントを加えてより一層豊かな刺繍作品ができます。
必ずしも刺繍用のシュニーユを使うことはありません。というか刺繍専用のモール糸を探す方が難しいです。
編み物用のモールヤーン(ハマナカのルナモールなど)や、フライフィッシングのルアーに使うモール糸なども活用できます。


シュニーユ・モール糸が買えるお店

アートファイバーエンド(京都)

新宿オカダヤ(エンドさんのモール糸が服飾館5Fに、編み物フロアにハマナカのルナモール)

釣具屋さん、渋谷のSUNSUI


他のジャンルの材料を刺繍材料として活かすのもオートクチュールの刺繍の醍醐味のひとつ。
デザイン性を追求する刺繍だからこそ、自由な発想で何でもチャレンジできます。

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糸づかいのアイディア、リュネビル刺繍のチェーンステッチで

新しい作品作りをしています。
その中で、ちょっと面白いテクニックがあるのでご紹介します。

リュネビル刺繍のクロシェを使って細かいチェーンステッチをして面を埋めるテクニック、通称ランプリサージュというのがあります。
ようはびっしりチェーンステッチをしているだけですが、ただ普通の糸を使って埋めるだけではつまらないので、2種類の糸を組み合わせてやってみました。

無撚糸とギッターマンの糸

ひとつは、細い繊維が髪の毛のように束なった光沢のある糸。日本刺繍で使う絹糸に似てます。ルサージュで勉強してた方はシルク(soie)でピンとくる糸です。(*豆知識・こういう撚りのかかっていない糸は「無撚糸」(むねんし)といいます。)
もうひとつは細めの金糸。

そのふたつの糸を一緒に、針が太めのクロシェ・ド・リュネビル(90番)を使ってのランプリサージュです。(80番だときついですね。)
(*豆知識2・2本以上の糸を撚らずに1本の糸のようにすることを「引き揃え」といいます。編み物好きの方にはおなじみの用語ですね。)

無撚糸と金糸のチェーンステッチ

無撚糸はふわふわとしてステッチがやりにくい糸ですが、つやつやとした光沢やふんわりとした風合いはとっても綺麗です。高級感がでます。

ただ、普通サイズのクロシェ(80番)で扱うと繊維が上手に拾えず毛羽立ってしまうことも。。。糸の扱いに慣れない方は太めの90番を使うのがいいかなと思います。

使った無撚糸は京都の糸屋「アートファイバーエンドウ」さんで通販できますヨ。
金糸やリュネビル刺繍の針は【小さな手芸屋さん】で❤️

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