TBSの番組「マツコの知らない世界」、2025年6月17日放送の回『刺繍の世界』に、
【 小さな手芸屋さん 】のリュネビル刺繍作品と、リュネビル刺繍動画の提供をいたしました。
はじめ、TBSの番組の制作の方から突然電話でオファーをいただいたときは、本当の話かどうか半信半疑で、
正式にメールで連絡いただいたときのメール署名に”tbs.com”と入っているのを見てようやく、これは詐欺ではないのだ、と思えました。
作品を何点か使いたい、とのこと。
何度かやりとりしているうち、次に心配になったのは、本当にきちんと作品が返ってくるのか、ということ。
刺繍の作品は、それがリュネビルではなくても繊細なものだし、
何も知らない人や、テレビ制作の忙しい現場で丁寧に扱ってくれるのか、とてつもなく心配でした。
たまたまテレビ業界の友人がいたので、連絡をくれた制作会社の評判や、作品が返却されないことがありえるか相談したところ、
紛失や損壊のリスクは少ないけれど、必ず書面で、万が一の時の保証金額や返却期限の約束を交わした方がいいよとのこと。
書類は作るつもりだったけど、そこまで明確にした方が確かに安全!と納得して、迫る撮影日を前に急いで覚書も作りました。
貸し出した作品は6点。大きなフランス式の刺繍枠に額装した作品や、ウルド枠に飾った作品、そして著書に掲載した作品などなど。
流れる水のような業界だから、実際に使われるかどうかはわからないと思いつつ、無事に作品さえ帰ってくれば、、、との気持ちで作品たちを送り出しました。
そして、撮影日が過ぎ、書類上の返却期限を過ぎても作品が返ってこないので、本当に心配で心配で、、、
しかもこちらも大阪のイベントの仕事の前で大忙しにしながら、連絡と作品を気にして悶々とする日々。
無償で貸さなければよかったかも、、、いや、いっそ貸さない方が精神的に良かったのでは?と思いはじめたころ、ようやく何度かのコンタクトを経て作品が返ってきました。
心配していたような扱いはなかったようで、きちんと丁寧に返却してもらえました。
やっと自分の手に無事に戻ってきた作品を見て、心底、安堵したものです。
その安堵感がどれくらいかといったら、
娘が保育園くらいのときに1週間くらい出張で会えなくて、やっと帰れて会えたときの嬉しさと同じくらいだったと思います。
そのくらい作品が大事なんだってことを、あらためて思い出させてもくれた経験でした。
そして、もっと嬉しく思えたのは、作品が放送に使われるかもしれないから見てね!と連絡した友人・知人がみんな我がことのように楽しみにしてくれたこと。
私にとっては、それだけでも大きな対価をもらえた気がします。
はじめてのテレビ番組への協力、しっかりと明文化することと、友人の大切さを痛感した出来事でした。
あと、リュネビル刺繍の認知にちょこっとだけでも貢献できたのが、自分にとっての誇りにもなりました。
採用してくれた制作会社の方々、貴重な経験をどうもありがとうございました。