職人の言葉が胸に刺さる、刺繍枠ウルドのお話し

刺繍枠ウルドの工場に、見学に行きました。
まだ長い梅雨が明けきらなかった、2020年の初夏頃のことです。

この刺繍枠ウルドのメーカー「アポロン」の社長・相馬さんと一緒に、静岡の木工所さんを訪れました。
都会の喧騒から離れた静岡の郊外にあります。

刺繍枠工場

周りを自然に囲まれた大きな敷地に、たくさんの木材の香り、そこにいるだけで癒されるような気持ちの良い場所です。

屋内には工具や機械が所狭しに並んでいますが、どこも綺麗に整頓されていて、仕事がしやすそうな空間。
そこで黙々と働く職人さんたちがカッコイイ!

刺繍枠工場

刺繍枠工場

刺繍枠工場

静岡は、日本の木製品の産地の一つです。
他の産地は、九州の大川、北海道の旭川など。
産地にはそれぞれ特徴があって、得手不得手なアイテムがあったりします。
木工所の社長さんに詳しくお話を聞くと、静岡は箱モノや小さな家具がよく作られるとおっしゃっていました。
ウルドにぴったりの産地属性です。

四角い無垢材から、ウルドの脚の流線型デザインを作るときには、「刃物」と呼ばれる歯車のような形の「刃」が使われます。
それを専用の機械に取り付け、木材を削るとあの形になるんです。

その「刃物」は特注で、ウルドのためだけに専用に作られています。
刃物は刃物職人が作るんですが、刃物の形を決めるのは木工の職人。
木製品の形に合わせて、どんな刃物の形が必要なのか、計算と経験が必要となるのでしょう。

社長からウルドにまつわる特別なエピソードを直接聞きたいと思って、「ウルドのような装飾的な商品は、こちらでしか作れない特別なものなのでしょうか?」と思い切って聞いてみました。
その回答は、まさに職人そのもの。

どんなものでも、誰でも作ることができる。
素人でも、長い年月をかければ同じものができるだろう。
でもそれは「作品」であって、「製品」ではない。
「製品」を作るというのは、品質の他にスピードが要求されて、全てを満たさないといけない。
スピードを満たすためには、職人の経験が必要だ。
そうした腕の立つ職人が1人いればいいのではなくて、何人かいないと工場として成り立たない。

これを聞いて、心の底からカッコイイって思いました。
そして、刺繍の職人の世界ともおんなじだなって共感しました。

刺繍枠四角プチウルド

今、アポロンさんと小さな手芸屋さんとのコラボ企画で、新しいデザインクロシェの製作を進めています。
もちろん作ってくれるのはこちらの木工所さん。
どんな想いでそのクロシェをデザインして、どういう製品にしたいか、熱い願いをぶつけてきました。
出来上がりが楽しみです。


リュネビル刺繍のビーズのステッチ

リュネビル刺繍の新しい動画ができました!

ビーズをステッチするテクニックの、レッスン的なビデオです。

ビーズ付けのテクニックは、特に左手の操作が難しく、初めての方は特に混乱しがちになります。

ご自宅からでもレッスンなみの情報が得られるように、かなり詳しくコツの説明をしています。

ビーズのステッチがうまくいかないなぁという方はぜひご覧になってください ♪♪♪


今年からビデオのリニューアル作業し始めて、ようやく3作目ができました。

youtube好きな夫に手伝ってもらってるんですが、いつも、

私の話し方が硬すぎで全然クールじゃない、とか、
見た目なんか気にしても誰も顔なんて見てないんだから自然にしろ、とか、
なんかロボットみたい、とか言われて、
そんな無茶な、、、と思いながら一緒に作ってます。

ビデオをサクサクたくさん作りたいところですが、
リュネビルはほんと細かいテクニックなので、ビデオの説明も込み入ってしまって、あんまり速くたくさんできそうにないのが残念です。

ゆっくりでも、きちんとしっかりやりたいなと思ってるので、のんびり見てもらえたら嬉しいです。


レッスンでも教えていて、なんでそこまで無料で教えるんだろうって疑問に感じる生徒さんもいるかもですが、

住んでいる場所や環境に左右されないで、やりたいと思った人がトライできるようにしたいとの想いを込めてやっています。

私がルサージュに行けたのは本当に幸運なことだったし、もし運命の何かが少しでも違えば、行くこともなく、今こうしていることもなく、全然別の人生の中で刺繍やりたいな、でもできないなって悔しく思っていたかもです。

何かを諦めなきゃいけないのって、すごく寂しいことだと思うので、そういう場面をフォローできるようなものが作れたらって思ってます。

そうすれば、この刺繍もなくなることなく未来の世代まで繋いでいけるだろうなとも考えます。

きっと私は、そういう流れの中の1つの踏み台として存在してると思うので、役目を全うしないといけないなと感じています。


くるりん製作秘話

「くるりん」は、丸い刺繍枠を挟んでスタンドタイプに変身させることができる刺繍道具です。
【小さな手芸屋さん】のオリジナル商品の一つ。
両手を使って刺繍ができるようになり、とても効率よく作業ができます。
好きな時に枠を差し替えて、複数の作品を同時進行できるようになるのもいいところ。

ハンドルを回すだけで360度回転することができるので、表裏の回転はもちろんのこと、自由な角度で固定して作業もできます。裏面の糸処理も一段と楽になります。
特にクロシェという特殊なカギ針を使ってする「リュネビル刺繍」は、生地の裏を見ながら刺繍することが多いため、裏表が簡単に確認できる枠があるとかなり便利になります。

でもどうしてわざわざオリジナルで道具を作ったのか、、、
海外製でもっと安く簡単に手に入るものもあるのに、あえて自腹を切るいばらの道を選んだのは、、、

どうしても日本製のものが欲しかった、、、という理由から。

ずっと前から、リュネビル刺繍に適した日本製のスタンド刺繍枠が欲しいと思っていました。
今まではイギリス製やトルコ製の刺繍枠を扱っていましたが、有名なメーカーものにも関わらず不良も多く悩みの種でした。
もっと安心して扱える質の高いものはないだろうかと探し回りましたが、手頃で価値の高いスタンドタイプ刺繍枠は見つかりませんでした。

もう取り扱いをやめてお客さん自身に探してもらうか、自分で作るしかない、、、と考えていた時、ふと通勤中に目に留まった近所の木工所がありました。
素敵なフォントの看板で、「相談家具屋」という屋号にも親近感が湧いたのを覚えています。
アトリエに着いて早々にネットで調べ、「きっとここなら良いものができるかもしれない」と思い、すぐに問い合わせをしました。

そうして「刺繍枠回転アタッチメント くるりん」を作ってもらえることとなり、それから数年が経ち、ようやくオリジナルの台座も出来上がりました。
「刺繍枠ウルド」のようにそのものの芸術性が高い商品ではありませんが、なんとか合格点のものができたと感じています。

とはいえ、日本製であっても不良や問題がゼロではありません。
ですので、少しでも良い状態のものをお届けしたいと思い、工場で完成して検品されたものを、さらに小さな手芸屋さんのアトリエで最終検品をしてから販売をしています。
ただの一つの道具にすぎませんが、お届けまでにたくさんの手間をかけて大切に作りました。
少しでもお客様のお役に立つものになればと願っています。

くるりんの販売ページはこちら
刺繍枠アタッチメント「くるりん」と台座セット 日本製

スタンド刺繍枠

スタンド刺繍枠

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オカダヤ新宿本店 POP UP SHOP 営業再開いたしました 

新宿のオカダヤさんが、本日、営業を再開されました!
ずっと休業されていて大丈夫なんだろうか、、、と人ごとながらに心配をしていたので、すごく、すごく喜ばしいことです〜!!

落ち着いたら早速買い物に行って応援しないと!

オカダヤさんは私にとって聖地みたいな、青春の手芸屋さんです。
専門学校の時の課題の生地やパーツを買ったり、生地の勉強にぶらぶらしに行ったり、、、人生の中に食い込んでたお店でした。

今も生地を探しに行くときはオカダヤさん。
刺繍のインスピレーションを膨らませながら、所狭しと並べられた生地を見て目移りしながら選ぶのが楽しいんです。

そんな My Love なオカダヤさんで、コロナの自粛前に【小さな手芸屋さん】のPOP UP SHOPをさせていただいてました。
お話をいただいた時は二つ返事で、大好きなお店だから断る理由がないし、聖地に認められたような気持ちですごく嬉しかったんです!
ですが、未曾有のコロナのせいでそのイベントや1dayレッスンも中止になってしまい、喜んでいた分すごく残念でした。。。

でもついに営業再開ということで、引き続きイベントもやらせていただけることになりました♪
少しでも多くの方のお手にとっていただいて、オカダヤさんに貢献しないと!と思います!

オカダヤさんは営業再開にあたり、感染拡大予防対策に取り組んでいらっしゃいます。
>>> オカダヤさんのホームページ

ご来店前にぜひご一読ください♪対策のご協力をいただきながら、お買い物も楽しんでいただければと思います。


【小さな手芸屋さん】のPOP UP SHOP @ オカダヤ新宿本店
場所:オカダヤ新宿本店 服飾館 3階・ビーズのフロアのレジ横
時間:11:00-19:30 *土日休業 *いつもと開店時間が異なります

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刺繍ブローチの仕立て方 両面シールを使う方法

刺繍枠メーカーApollonさんのリュネビル刺繍の冊子に載っている、Yukari Iwashita先生デザインのパピヨンを作ってみました。

Yukari先生の本物の蝶々は繊細で女性らしい雰囲気が素敵なデザインなのですが、私が作ると薄暗い時間に見かける渋い蝶になってしまった気が、、、
先生、すみません。。。

せっかくなのでブローチに仕立てました。
初心者の方でも失敗が少ない、「布用両面シール」を使う方法です。

刺繍ブローチの仕立て方

手軽で身近な道具だけで作れ、しっかりとした出来栄えの刺繍ブローチにもなるおすすめの仕立て方法です。

準備するもの

布用両面シール
裏面用の皮など
ブローチピン

接着剤(木工用ボンドでもok)
ハサミ
針と糸

あとはヘラがあると捗ります

仕立てのやり方

1、刺繍の裏面に、布用両面シールをはります

刺繍ブローチの仕立て方

2、刺繍の出来上がりの周りを5-6mm大きく切り取り、切り込みを入れます

刺繍ブローチの仕立て方

3、シールの剥離紙を剥がし、裁ち代を裏面側に折り込みます

刺繍ブローチの仕立て方

4、刺繍より少しだけ大きめに切り取った皮にブローチピンを縫い付けます

刺繍ブローチの仕立て方

5、皮の裏に接着剤を均等に塗り、刺繍と接着します

刺繍ブローチの仕立て方

6、接着剤が乾き、形を整えて完成です

刺繍ブローチの仕立て方

オートクチュール刺繍ブローチ


この仕立てに必要な材料とレシピのセットを【小さな手芸屋さん】のオンラインショップで販売しています。

まだどんなものを買い揃えればいいのかわからない方や、いろんなお店を回って集めるのに苦労されている方にぴったりです。

刺繍の仕立てセット

Yukari Iwashita先生デザインのパピヨンが掲載された刺繍枠メーカーApollonさんのリュネビル刺繍の冊子も、期間限定で取り扱い中です。

リュネビル刺繍の書籍や道具

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日本企業応援企画

コロナの影響で苦しんでいるかもしれないメーカーさんや職人さんを助けたいと思い、日本企業応援企画をしています。

【小さな手芸屋さん】が仕入れることで、少しでも早く資金が回ってくれれば、、、と、すっごい微力ですけど、企業活動の応援ができると思いました。

まずは第一弾で、TOHOビーズの選りすぐりの40色セットを作りました。

サンプル帳の中から、ときめく素敵なカラーをチョイスしました。
色と色をにらめっこしながら、作品の出来上がりイメージも想像しつつ、あれでもない、これでもないと、選ぶのが楽しかったです♪♪♪

TOHOのビーズは色によって値段のランクがあり、やっぱり高い色はいい発色してるなぁと気づきました。
加工や色素のクオリティが高いんでしょうね。

いつもはチェコビーズばかり集めているお店ですが、改めて日本のビーズの素晴らしさを再発見できました!

40色を8つのグループに分けて、1グループでまとまった作品ができるような配色になっています。
甘い色合いにスモーキーでレトロな色、ニュアンスのあるシックなカラー、使いやすいホワイトやクリーム系などなど、これ一つあれば当分遊べます。
お気に入りは、スモーキーなモーヴ色のグループとレトロな中染グループ!
ヴィンテージテイストのアクセサリーに使ってみたいなと思いました 🙂

1set 40色入り 各色1m分、4980円税込で【小さな手芸屋さん】オンラインショップで販売中です。

1色1mあたりは113円(税抜き)でメーカー小売価格よりもかなりお買い得でもあります♪

商品ページはこちら
日本企業を応援!TOHOビーズ 丸小 お買い得40色セット

TOHOビーズ丸小

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刺繍新聞バックナンバー公開中

ご自宅にこもっての創作活動の役に立つようなことをしたいと思い、【小さな手芸屋さん】の刺繍新聞のバックナンバーを期間限定で公開することにしました。

ホームページの「ミニコラム」というページで紹介中です。
>>> 刺繍新聞のバックナンバーページ 


コロナに負けないで少しでも明るい気持ちや、ワクワクした気分になってもらえたら嬉しいです。

レッスンもイベントもお休みになってしまい、こちらもすごく残念な気持ちで過ごしていますが、今は健康を保つのが一番の仕事ですね。

こんなときだからこそ繋がる絆もあるし、小さな手芸屋さんだからこそできることがあるとも感じました。

イベント中止や営業縮小で困っている取引先さんもいるので、彼らの助けになることもしていきたいです。

今、フランスとの物流も途絶えてしまって心配ですが、あちらのみなさんが元気なことは本当に何よりだと思います。

うちのお客様や生徒さんもみんな元気であることを祈っております。

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ご注文受付・発送を続けております

【小さな手芸屋さん】は、コロナウイルスの感染対策を行いながら、通販の営業を続けております。

平常通り、土日祝を除いて発送しております。
・クレジットカード決済・代金引換のご注文は、当日から翌営業日に発送いたします。
・お振込の場合は、着金確認後、当日から翌営業日に発送いたします。

ご注文方法もいつもと変わらず、サイトのカート画面からお手続きください。
毎日24時間、自動で承っております。
お電話でのご注文もお伺いいたします。お気軽にお申し付けくださいませ。(平日10-16時まで 045-542-4992)


当店のコロナウイルス感染対策

対策1 常時マスクの着用
対策2 手洗いの慣行
対策3 換気と密にならない環境
対策4 始業時の社内の除菌・清掃等

お客様、従業員、お取引先の健康と安心を考えて対策をしております。
今後、行政による指示指導がない限りは、このようにして営業を続けてまいります。
当店を必要としているお客様のために、平常通りの営業が行えますよう、尽力してまいります。

この問題の最中、ご注文をくださいましてどうもありがとうございます。
みなさまのご健康と明るい毎日を心より願っております!

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リュネビル刺繍
はじまりと終わりのステッチ

ある使命に駆られて、また新しいビデオレッスン動画を作りました。

今回はリュネビル刺繍の「はじまりのステッチ」と「終わりのステッチ」です。

前回のビデオを公開して、独学中の方からとても喜ばれて、すごく嬉しかったです。
公開するのが怖かったんですけど、励みになりました!

次は難関のビーズつけの動画を作らないとですね、、、
わかりやすい動画にするために、しっかりと構想を練ろうと思います!

早くヴェルミセルとかポワンティレとかやりたいな〜。

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Journal de la broderie

先月の刺繍新聞に掲載した図案”Adonis”。
北海道のお客様から、「刺繍したよ〜」と写真を頂きました 🙂

こんなに素敵な刺繍になるなんて♪!♪!

“Adonis” は福寿草のこと。
新春に黄金色の花を咲かせる、縁起の良い植物。
北海道では残雪の間に花を咲かせて、春を告げるんだそうです。
素敵なシチュエーションですよね、、、いつかこの目でみてみたい。

刺繍新聞の図案作りは、その時期にあった花やモチーフを探すところから始まります。
2月号の福寿草は、そのおめでたい名前に似合わず、根に猛毒を持つというギャップが気に入ってデザインに取り入れました。
ちなみに3月号は、コロナで暗い話題ばかりなので、華々しい1920年代のデザインにチャレンジしました。

毎月1日更新の刺繍新聞、もうすぐ4月だけど、次はどうしよう。
今回は何にも頭に浮かばない、、、焦ってます ><;; なにかいいネタ落ちてないかしら。


刺繍をしてくれたのは北海道札幌市豊平区にお住いの、刺繍の先生です。
どうもありがとうございました!

刺繍新聞

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