コレクションで見る刺繍のアイディア 2014awシャネル

パリで毎年2回(1月/7月)に開催されるオートクチュールのコレクション。

日常生活からはかけ離れた超ゴージャスな世界が繰り広げられる、100年以上の歴史のあるファッションショーです。

シャネルやディオール、ヴァレンティノなどの高級ブランドの最高峰の衣裳が見られるので、刺繍のデザインやネタの勉強によく参考にしています。

今回はシャネルの2014年秋冬コレクションの中から見つけた豪華な刺繍の数々をご紹介です。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

赤にゴールド、そしてほんの少しの黒が印象的なクラシカルな花モチーフの作品。
レースとビニールを貼り合わせたような生地で、近代的な技術と伝統の融合といった感じでしょうか。
刺繍の部分はラインストーン、竹ビーズ、スパンコール、おそらく金糸のステッチと金属のモール等を使って、所々立体的なモチーフ仕立てになっているようです。
生地の未来感と繊細な手仕事のマッチが新鮮です。
ただこのままだと日常には取り入れられなそうなので、お花の感じと色合いを参考に、ツルツルした生地にワンポイント刺繍したポーチなんかに仕立てるのがいいのではないかと思います。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

ぎっしりもっこりな立体感のお花の絨毯のようなドレス。
大ぶりな花形のスパンコールに布パーツ、造花のバラのようなものをこれでもかという位に重ねて詰め込んだ感じです。
これは同じ材料がないと再現不可能ですが、花の形に切った布やリボン、造花、プラスチックのパーツ等いろいろな物を組み合わせてぎっしり刺繍すればほんのちょっと似た作品ができるかもしれません。
透明〜深紅の色の配分はとても参考になりそうです。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

ひょっとすると鎖カタビラのような鎧チックなワンピース。
力強いイメージの刺繍に華奢なストラップとミニ丈のバランスが素敵です。
身頃は四角い灰色のビーズを使っているのでしょうか?それとも新技術の立体プリントでしょうか・・・?
四角いビーズなら手に入る物もあるので、それと長めの竹ビーズを山のように刺繍すればマネできそうです。
スカートの部分は大小の平スパンコールをビーズとはさんで重ねたり、半分に折り曲げて花びらのようにしたりすれば良いのかなと思います。
これならビーズ針で意外と簡単に出来てしまうかもしれません。(でも根気が必要です。)

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

ベルベットのように滑らかな光沢感のスパンコールびっしりなドレス。
よく見るとお花モチーフのスパンコールが使われています!
お花のシルエットが波打つように細かで軽やかな表情を演出しています。
ずっしりと重そうな大ぶりのラインストーンやパールの部分も、白〜乳白色〜クリスタルで清楚にまとめられているので軽い印象です。
手持ちの洋服の襟ぐりなどにライントーンをつけて、なんちゃってシャネル風リメイクの参考にできそうです。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

こちらもリメイクに参考にできそうな作品です。
キャミソールのストラップ等にラインストーンとパール、透明とゴールドのビーズをランダムに付けるときっと可愛いリメイクになるでしょう。
ビーズとスパンコールで刺繍してある唐草模様の部分はクロシェでスパンコールを付けれる方ならすぐにマネ出来てしまうはずです。
パール色と薄いゴールド、シルバーの組み合わせがシンプルな美しさを生み出しています。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

最後はスパンコールとラインストーンのエレガントで小粋なドレスとバック。
小さな葉っぱのスパンコールがちら見えしているのがすごく可愛いです。
これは是非とも取り入れてみたい手法です。
葉っぱのスパンコールのかわりに星やお花のスパンコールでも良さそうですし、金属のパーツでも代用できそうです。
ラインストーンの部分は、こんな感じのネックレスを上から縫い止めてしまえば楽チンですね!

以上、勝手なレポートでした。

ゴージャスすぎて作品作りに取り入れるのは難しいものばかりかも知れませんが、こういう素晴らしい刺繍たちを見るのは目の保養になりますね。

どうやって作っているのかなと想像するだけでも、胸がキュンキュンと高鳴るような気分です。

さすがオートクチュールの世界ですね!

またの機会に他の作品も紹介してみたいと思います。

それではまた!


オートクチュール刺繍のやり方 クロシェ・ド・リュネビル

クロシェのやり方を動画にしてみました。
ぜひ独学の参考に!

コツは3点。
1、クロシェと下糸はいつでも生地と垂直に
2、針を抜くときは垂直のまま、ぐっと背中で押す
3、下糸のテンションが強すぎないように、スムーズに上下運動できるテンションを保つ

Let’s try !!


デザインって???

新しい作品が出来たのでお披露目です!

今回のは私の好きなエスニックとロックテイストを掛け合わせて生まれたかっこいい系(?)のブレスレット。

ヴォーグ学園の講座の課題用に作ったものですが、

どうせなら自分としても日頃身につけられるような物がいいな〜と考えながらデザインしました。

オートクチュール刺繍のブレスレット

いつもどんな風に課題のデザインを考えているかというと、、、

1、その課題のテクニック的なコンセプトとレッスン回数を決める。(どんなテクニックを盛り込んでどう指導するか等)

2、他の課題作品とかけ離れない範囲でまだトライしていないアイテムやイメージを考える。(ファッション誌やデザインの資料を見ながら)

3、1のコンセプトと2に合致するデザインを気に入るまで適当デッサン。(ほとんどは移動時間を利用してます。スマートフォンを持っていないので電車に乗っていると暇なので。)

4、3を基にして、とりあえず適当に第1段階の試作。(使う材料はとりあえず手元にあるもので、色もサイズもおおざっぱに。なぜならそんな状態でも上手く行きそうなデザインだったら、本番も問題ないこと間違いなしですし、材料や色の選択を別にして、デザインそのもののどこに欠点があるのかの見極めができます。)

5、4を納得できるまでやったら、今度は使う材料と色をきちんと決めて第2段階の試作へ。また試行錯誤しながら細かい部分も詰めていきます。

6、ここまでは適当デッサンを元に試作しているので、5でデザインが確定したら正式に図案を書き直します。(使う材料のサイズを測って、図案通りにやれば誰が作っても同じ見栄えになるように細かく計算してラインを決めます。)

7、最終の試作。6の図案と本番の材料できちんとした作品に仕立て上げます。・・・そしてお披露目という感じです。

仕上るまでに早いときは2-3日、悩みこんでしまうと何週間や何ヶ月とかかるときもあります。

何ヶ月も悩むときは途中でいったん放り投げて、気分転換したり他の作品を作ってから新たに取り組むことが多いです。

自分だけの作品は長時間悩んでる時間もないので一発勝負みたいな感じで作ってます。

そんなときは新しいテクニックの組み合わせの発掘と課題ではできないアクの強いデザインに挑戦することが多いです。なので破綻することもしばしば。

よくお客様からお聞きするのはデザインをするのが難しい、、、といったお声です。

たしかに、簡単にはいきません。それなりの経験値も必要です。

ですが、その経験値を貯める為にはひとつのひとつの作品を完成させないと身に付かないものです。

どんなに気に入らないものとなろうとも、それを完成させることで自身のノウハウにつながりますし、ひとつくらいは好きな部分が見つけられるはずです。

その点を発展して次の作品に活かしたり、逆に気に入らない部分はどうしたら好きになれるのかという分析をして修正を加えたりと、デザイン力を養う大事な視点を得ることができます。

美術の授業でもやるように、過去の素晴らしい作品を模写するのも有効なことだと思います。

まずは失敗を恐れずに、他人の評価を気にせずに、好きなことだけ考えて刺繍をするのが吉かな・・・と、

小さいけれどたくさんのスランプを乗り越えてきて今感じてます。

そんなわけですので、デザインの食わず嫌いをしている方にこのブログが参考になるといいなと思います。

では!刺繍やハンドメイドを存分にお楽しみ頂けますように★


透けない布に刺繍の下絵をする方法「ポンサージュ編」

前回のブログで「ポンサージュ」という本格的な下絵方法のご紹介を致しました。

特別な用具を必要とするこの方法、身近なもので手軽に実践するには?

☆必要な道具
図案を写す紙(コピー用紙で良いです。)
針(ちょっと太めのもの)
布にかけるペン

1、紙にデザインを写し、線に沿って針で穴をあけます。
穴の間隔が細かい程、後ほど正確な下絵になります。

線に沿って穴をあける

2、生地の上に1の紙を固定し、穴をあけた部分をペンで印をつけます。
*ペン先をぐりぐりと押当てるとしっかり写ります。

ペンで点を写す

3、点々が生地に写ったところ。(ピンクの点々)

生地に点が写る

4、3の点々に沿って線をつなぎます。おわり。

点に沿ってラインをつなぐ

使用するペンのオススメは、時間が経つと消えるチャコペンです。

このチャコペンで工程3までやって、工程4はペン先が細いもの(シャーペン形のチャコペンシルや鉛筆、ボールペンなど)を使うとよりいっそう下絵の完成度が増します。

また、工程3でかなり細かく点が打てていれば、工程4は必要ないと思います。

刺繍する際は、これらの下絵が隠れるようにステッチをして下さい。

この「お手軽ポンサージュ」、身近なものでできるとはいえ、正直ちょっとめんどくさいです。

ただ他にいい方法がない場合は有効な手だてとなります。

今回前回と紹介した下絵方法以外に、

■ おしろいを水で溶かした液と筆を使ってトレーシングペーパーに図案を写し、
生地の上において、その線に従ってペン等でなぞっておしろいを生地に写す方法
(自家製おしろいチャコペーパー的な感じです。) →→→ 未実験

■ トレーシングペーパーのツルツル面にボールペンで図案を写し、
生地の上においてアイロンをかけて印を写す方法
(熱転写チャコペンと同様ですね。) →→→ 未実験

■ 「ムーンベール」という商品を使う。 →→→ 未実験

などもあります。

下絵は適切で簡単な方法を選びましょう!


ヴォーグ学園でのオートクチュール刺繍講座の作品紹介

ヴォーグ学園さんの講座の新学期まであと2週間。もうそろそろです。

どんな内容の作品をするのですか?というお問い合わせをよく頂きましたので、

新作を含め改めてご紹介致します。

最初の6ヶ月で作るのは、クロシェの練習をかねたものと、ビーズ付けにチャレンジのミニポーチの2点 ↓↓↓↓↓

クロシェ・ド・リュネビルの刺繍

ビーズとリボンのミニポーチ

難しそうなテクニックなので、本当に続けて行けるのか不安、、、という方が多くいらっしゃるので、

まずは簡単なものから始めてしっかりとクロシェの基礎に慣れて頂けるようなペース配分で進んで行きます。

クロシェの他にもリボンやビーズ針の刺繍も取り入れます。

その後の6ヶ月も全5回のレッスンで2作品作ります。

1点目はクロシェでのスパンコール付けとフランス刺繍の基本を組み合わせた作品です。
(写真を撮り忘れました。ビーズ・スパンコール・パール・刺繍糸を使ったはがきサイズくらいのものです。)

2点目は立体的なお花のコサージュです。オリジナル作品作りにも役立つ仕立てテクニックが詰まってます。 ↓↓↓↓↓

刺繍のコサージュ

新しいテクニックや素材を取り入れながら、徐々に豪華な課題へと進んで行きます。

1年もするとクロシェの腕前もかなり上がってくるはずです。

3期目の6ヶ月の課題はまだ決まっていませんが、一番上の写真の黒×シルバーの刺繍をアクセサリーに仕立てる感じになると思います。

あとは透けない布でクロシェにチャレンジする作品も考えています。

その頃にはオートクチュール刺繍にかなり手慣れてくるので、ますますゴージャスなものに取りかかる予定です。

ご覧の通り、アトリエのレッスンでの課題とはひと味ちがう作品をご用意しております。

アトリエではお教えしていないテクニックもたくさん盛り込んで行きます。

宿題の量も最低限に押さえていますので、お忙しい方でも焦らずに楽しんで頂けるような内容です。

開講まであと2週間!

お申し込み頂いたお客様、どうもありがとうございます!!

期待を裏切らない楽しい講座にして参りますので、どうぞ楽しみにしていてくださいませ!


スパンコールの花のコサージュ

来月は母の日。

そういえばまだきちんとした作品をプレゼントしたことがなかったなと思い、

今年退職する母へコサージュを作ってみました。

きっと送別会で使うだろうな〜と想像して、普段使い用よりもちょっとゴージャスに。

個人的にやりたかったこと、

*仕上げ違いのスパンコールの組み合わせ
(微光沢のものと輝きの大きなものを部分的に使って、輝きの違いで見せる立体感)

スパンコールの花のコサージュ

*ワイヤーを仕込むテクニック
(パーツの外周にアクセサリー作り用のワイヤーを「point riche(ポワンリッシュ)」という細かくジグザグにステッチする技法で止める。こうすることで動きのある造形を作れます。)

*いつもシルバーばかりなのでたまには差しにゴールド
(でもやっぱりシルバーは使ってしまいますね。ゴールドと薄いグレーも相性が良さそうなので次でチャレンジ。)

など盛り込んで、久しぶりに自由に作品作れたなぁと息抜きできました。

あまり考えずに作った割にはなかなかいい感じにできたので満足です。

ワイヤーを仕込むのはちょっと難しいテクニックですが、

種類やサイズ違いのスパンコールを組み合わせるテクニックは簡単にできると思います。

みなさんもぜひぜひ試してみて下さいね!

いろいろ発見できますよ〜。

スパンコールの花のコサージュ

スパンコールの花のコサージュ


プロバンスのラベンダーが好き

フランスに行ったら絶対に買って帰りたいもの、、、

細インゲンやアーティチョークの缶詰、刺繍とファッションの本、南仏の蝉の置物、そしてラベンダー。

6月に私用でフランスに行くことになりました。

パリには行けないので買い付けなどはできないのですが、何かいい物を買って帰れないかしら?と考え中です。

特にプロバンスのラベンダーはかなり大好きなので、湯船いっぱい分くらい欲しい所です。

向こうのラベンダーはすごく香りが透き通っていて、しかも持ちがいいんです。何年も香ります。

お土産品としても内輪人気が高くて、我が家にもたくさんコレクションがあります。

ソレイヤード生地の香り袋はインテリアにもいい感じです。

オ・フィル・デュ・レーヴの香り袋の課題の仕立て用にプレゼントしているのも本場プロバンス産で、

みなさんに「いい香り!」と喜んでもらえて嬉しいです。

5月の朝日カルチャーセンターの1day講座の課題もラベンダーの香り袋です。

クロシェのレッスンはいつも時間が押し気味になってしまうので、今回はちょっとボリュームを押さえてます。

でも可愛さは150%増です!!(そのつもりです!)

刺繍も楽しめてラベンダーまで手に入ってしまう素敵(?)な講座となっております。

オートクチュール刺繍のラベンダー袋


オートクチュール刺繍の香り袋
5月29日(木)14:30~17:30 定員12名様
お申し込み詳細は朝日カルチャーセンター横浜校にて承っております。


コレクションから探す刺繍のアイディア〜2014ss Elie Saab〜

刺繍やハンドメイドのネタ切れで困ってしまう時、、、

そんなスランプなときは、

1・ファッション雑誌を見る

2・おしゃれなお店で参考になりそうな洋服を探す

3・パリコレなどのファッションショーからアイディアを探す

ということをよくしています。

柄や配色、テクニックや仕立ての参考などなど、流行の洋服やアクセサリーからたくさんの刺激をもらえます。

今日は2014年春夏のオートクチュールコレクションの「Elie Saab」というメゾンの刺繍ドレスをご紹介 ↓↓↓↓↓

レース風の刺繍レース風の刺繍

見た感じ、チュールレースの上にビーズやスパンコールを散らしつつ、花びら状にカットした別布をプラスしてふんわり繊細立体感な刺繍です。
モチーフ状のレースも後付されていて、まるでレースが浮き出ているように見えます。女性らしい素敵な作品。
淡くベージュがかったピンクと白のカラーも綺麗です。レースと材料さえあればビーズ針で作れそうです。

花モチーフの刺繍花モチーフの刺繍

総刺繍なのに軽い印象のジャケットとスカートは、きっと極薄の生地を使っていると思われます。
おそらくチュールかシフォンか・・・。
半球状のスパンコールや白・シルバーのビーズが程よい密集感で刺繍されているようです。
微妙なスペースの抜け感も軽く見えるコツかもしれません。
これはクロシェとビーズ針で作る感じですね。

刺繍のドレス花モチーフの刺繍

黒〜白のグラデーションが美しいドレス。
大きな手芸屋さんに行くと、花びらの形に切ってある布パーツが売っています。
それを使えばこんな感じの刺繍も見よう見まねでできそうです。
サイズ違いを何枚か重ねて、中心を針を使ってビーズと一緒に止めてあげるだけです。

刺繍のドレス花モチーフの刺繍

これもモチーフ状の花形レースを後付けしているように見えますが、もしかしたら刺繍してあるお花かもしれません。
外周が太く見えるので、細いブレードなどで囲ってあるような・・・?内側はスパンコールがあるように見えます。
このドレスをよーく見ると、立体的なお花の影の部分も同じように花の形でスパンコールの刺繍が入っています。
たぶんそれがなかったら花を取って付けた的な感じに見えるでしょう。影の部分のこだわりも大事です。

刺繍のウェディングドレスレース風の刺繍

いつもコレクションを締めくくるのはウェディングドレス。こんなの着れたら素敵だな〜と思います。
レース風の図案で、クロシェでラインをビーズ付けして、その上に別布やレースで立体盛りつけしている感じです。
控えめなボリューム感が清楚な感じでかわいいです。
真っ白でまとめないで、ベースがベージュっていうのも刺繍が上品に引き立っています。

パリコレなどの写真はstyle.comとかelle onlineなどのサイトで簡単に見れるので、
アイディア探しに悩んでいるときは参考にしてみて下さい。

一流デザイナーの渾身の作品をネットで見れるなんて素晴らしい時代です!


アイディアいっぱいの生徒さんの作品

誰かが作った作品を見る、というのはいつでも刺激的なもの。

自分では思いもつかないようなアイディアがたくさん発見できます。

私たちは教室をやっているおかげで、生徒さんの様々な作品を見る機会に恵まれています。

先日見せて頂いたのは、課題作品を活かしたポーチとカルトナージュ仕立ての手鏡 ↓↓↓↓↓↓

オートクチュール刺繍の鏡とポーチ

オートクチュール刺繍のボーチ

オートクチュール刺繍の鏡

オートクチュール刺繍の鏡


ポーチはサテン地のキルティングと刺繍の相性がぴったり!

この仕立て方は思いもつきませんでした。勉強になります。

鏡はご自分で台紙をカットして仕立ててあり、サイドや表面にもこだわりの装飾で、

見せびらかしたくなる位に素敵でした。

この2つは、静岡から母娘でお出でになる生徒さんの作品です。

まるでセット商品のようですよね。DNAを感じます。

もうひとつ、お母さまが道具袋で使っているポーチがものすごーーーくかわいかったので写真を撮らせてもらいました。 ↓↓↓↓↓↓

パッチワークのポーチ

本当に欲しいくらいにかわいいです。売ってたら確実に迷わず買ってしまうくらいに。

色と柄と素材とサイズの全てが最高に好みです。私もこういうのを刺繍で作ってみたい!

毎度ながらみなさんの作品を見ていると、創作意欲が刺激されてわくわくしてきます。

アイディアの宝庫ですね!


サイズもいろいろ、クロシェのかぎ針の比較

オートクチュール刺繍用のクロシェ(かぎ針)には、70~120番までサイズがあります。

針のサイズは 70<80<90 …と数字が大きくなる程に太くなっていきます。

クロシェ・ド・リュネビル針の比較

その中でも一番よく使うのは、80番。

ビーズやスパンコールを付けたり、糸だけでステッチしたりと、特殊なことをしなければこのサイズ1本で事足ります。

では他のサイズはどんな時に使うか?というと、、、

★70番・・・一番細いサイズ。おもに皮に刺繍する時に針穴を目立たせないように使います。
個人的には、3mmスパンコールまたは極小サイズのビーズを刺繍する時(針の太さ分小さくステッチするのが簡単なので)や、
アリワークのように表からスパンコールなどを刺す時、
とても細い糸でシャープにチェーンステッチしたいときに使ってます。

★90番・・・50~30番手くらいの糸でステッチする時や、
80番だと糸が針にひっかかって作業がはかどらない時(とくに無撚糸や2本取りでのステッチなど)は、
潔く太い針で刺繍した方が楽です。

★100~120番・・・20番手(釦付け糸位)以上の太い糸でステッチする場合
個人的には120番が好きです。レース編みの太い糸でもいけます。

参考例として、70~90番を使って糸だけでステッチしてみました。 ↓↓↓↓↓↓↓

リュネビル刺繍のチェーンステッチ

1、70番を使って
スパンコールのようなスワロフスキーのパーツを表から刺しています。
パーツのサイズによっては80番でもできますが、穴が小さいものだと割れたりします。

2、70番とフィラガン
チェーンステッチの輪っかの巾が気持ち細くなります。針穴も80番と比べると小さいです。

リュネビル刺繍の針の穴の比較

3、80番とフィラガン
いちばん基本的な組み合わせです。

4、80番と刺繍糸(6本撚りの中の1本だけで)
フィラガンとちがって毛羽立ちがあるので、引っかかってやりづらい場合は90番を使ってみましょう。

5、90番で刺繍糸1本と金糸1本の2本取り
90番でもちょっと窮屈な感じは否めませんが、できます。

6、90番でフィラガン1本と金糸1本の2本取り
5よりも糸が細いのでやりやすいです。フィラガンを2色混ぜて2本取りにしてもおもしろいと思います。

7、90番と50番手の綿糸
80番でもいいですが、ちょっと太めの糸は90番でふんわりとステッチした方がボリュームも出てかわいくなります。

8、90番とポリエステル手縫い糸(40番手くらい)
これも80番でもいいですが、この手の合繊で撚りの甘い糸は針に引っかかりやすいので、90番の方がはかどると思います。

9、80番とシルクの釜糸(日本刺繍の糸)
この糸は撚りの掛かっていない細い繊維が何本も合わさっているので、扱いに慣れないとかなり針に引っかかって繊維があちこちから飛び出してきます。
細めの糸だったら80番で、上手くできないときは90番で。

10、90番と無撚糸
この糸は釣り具屋さんで買った太めの無撚糸。明らかに9の釜糸よりも太いので、潔く90番を使います。

と、こんな感じでサイズも糸の種類もさまざまあります。
また、作る人の手によっても力加減などの違いがありますので、一番やりやすいサイズの針を選んでみて下さい。
上に挙げた例は決まり事ではなくて、私個人の好みですので。

★番外編・・・90番のクロシェは「point de beauvais ポワンドボヴェ」という種類の刺繍にも用いられます。
今回のブログのために色々調べてたらおもしろいサイトを見つけたのでご参考までに。
(ただし全部フランス語です!)
ポワンドボヴェについて詳しいフランス語のブログ