写真で説明★ファスナー付きポーチの作り方

先日手書きの書類で説明したポーチの作り方ですが、

ひとつ大事な工程が抜けていた(!)のでそれを付け足して、(下の説明の6番目の工程です。)

写真付きでもっとわかりやすくしてみました。

既に作ってしまった方、、、ごめんなさい。たぶんファスナーが噛みまくりだったと思います。

説明不足ですいません。。。

↓↓↓↓↓↓↓↓ ファスナー付きポーチの作り方 ↓↓↓↓↓↓↓↓

1、 生地を出来上がり寸法+縫い代1cm四方でカットします。
ポーチ表面 1枚
ポーチ裏面 1枚
ポーチ表用☆透け防止布 1枚
袋布 2枚
ファスナーは出来上がり寸法より1cm短いものを用意して下さい。
(例:出来上がり10cmだったらファスナー寸は9cm。)

ファスナー付きポーチの作り方1


2、ポーチ表面とポーチ表用☆透け防止布の縫い代を揃えてピン打ちし、縫い代5mmで四方を仮縫いします。

これは、刺繍した布がスケスケのため、1枚で仕立てると縫い代が丸見えで美しくないので、それを防止する為に1枚布を付け足しています。
もしポーチ表面が透けない生地であれば透け防止布を付ける必要はありません。

ファスナー付きポーチの作り方2

ファスナー付きポーチの作り方3


3、袋布とファスナーを外表で合わせてピン打します。
<ポイント!> ファスナーの金具は袋布の端から1.5cm内側になるように配置して下さい。
袋布の上端とファスナーの帯端はぴったり合わせます。

ファスナー付きポーチの作り方4


4、もう1枚の袋布も同様にピン打し、縫い代5mmでそれぞれを縫い合わせます

ファスナー付きポーチの作り方5

ファスナー付きポーチの作り方6

ファスナー付きポーチの作り方7


5、ポーチ表面・裏面とファスナーをそれぞれ中表で合わせて、縫い代1cmで縫い合わせます。

ファスナー付きポーチの作り方8

ファスナー付きポーチの作り方9

ファスナー付きポーチの作り方10

ファスナー付きポーチの作り方11

ファスナー付きポーチの作り方12


6、袋布の吹き出し防止の為のステッチをします。
<ポイント!> これをしないと、ファスナーが袋布にひっかかり、噛んでしまってファスナーが2度と開かなくなる事がわかりました。
一手間ですが、重要な工程です!

袋布をファスナーにきちんと倒して、折り山から2mmもしくは5mmのところをステッチで押さえます。
ここで縫われるのは、袋布1枚とファスナー帯、ポーチ表面or裏面の縫い代だけです。
*完成後このステッチが表から見える事はありません。*

ファスナー付きポーチの作り方13

ファスナー付きポーチの作り方14

ファスナー付きポーチの作り方15


7、ポーチ表面・裏面と、2枚の袋布をそれぞれ重ね合わせ、周囲をピン打します。
このとき、ファスナーは半分くらい開けておいて下さい。
*ファスナーは半分に折れた感じになってます。

周囲を縫い代1cmで縫い合わせますが、袋布の底だけは後でひっくり返すのに充分な長さ分縫い残します。
ファスナー付きポーチの作り方16

ファスナー付きポーチの作り方17


8、四方の縫い代をアイロンで片側に折り倒します。
*もし全面に刺繍をしている場合(特にスパンコールを使っている時は)、アイロンの熱でスパンコールが溶けますので、触れないように気をつけて下さい。

ファスナー付きポーチの作り方18


9、縫い代が重なり合う角の部分は、余分な布をカットします。
*縫い目ぎりぎりにカットしないで下さい。

また、糸や繊維が飛び出しているところは綺麗にカットしておきます。
*この段階の前まではほおっておいてOKです。

ファスナー付きポーチの作り方19

ファスナー付きポーチの作り方20


10、袋布の縫い残しの部分から、表を引っ張りだしてひっくり返します。
*ひっくり返す前にファスナーは前回させておいて下さい。

<ポイント!> 底の角の部分は、倒した縫い代を指で押さえながらひっくり返すと綺麗に角がでてきます。

ファスナー付きポーチの作り方21


11、縫い残しの穴をまつるか、ステッチで縫い塞ぎます。
*縫い代は内側に入れこんで下さい。8で縫い代がきちんとアイロンでくせづけされていれば折り込む手間が省けます。

ファスナー付きポーチの作り方22


12、これで完成です!
写真付きだと少しは説明がわかりやすくなったかなと思います。
もし何を作るか迷った時は、これを参考にポーチを作ってみましょう!

*ちなみにこのポーチの刺繍は、ヴォーグ学園での講座の課題の一つです。

ファスナー付きポーチの作り方23

おしまい


池袋でオートクチュール刺繍の1day講座を開催します!

最近カルチャースクールでの講座のお仕事が増えて参りました。

池袋の東武カルチュアスクールで新しく公開される特別講座のお知らせです!

オートクチュール刺繍のクロシェ(かぎ針)のテクニックを学ぶ1day講座で、ラベンダーの香り袋をお作り頂けます。

池袋は私にとってとてもなじみ深い場所で、実家に住んでいる頃はよく遊びに行ってました。

フランス語を習っていたのも池袋でしたし、よくcafe de crieでラージサイズのアイスカフェラテの氷が溶けきるまで勉強をしたものです。

そういえば映画館でバイトもしてました。夫と初めて出会ったのも池袋です。なんだか懐かしい!

そんな私の青春の1ページを飾る(?)池袋でのオートクチュール刺繍の1day講座は、本日よりお申し込みをスタートしております。

開催日は2013年9月29日(日)、13:00~16:00の3時間のレッスンです。

詳細・お申し込みは東武カルチュアスクール池袋校さんにお問い合わせ下さい。


偶然の出会い!!

久しぶりにグッときたものをゲットしました!

手元で眺めているだけでも幸せ〜なデッドストックの刺繍テープ♡

と・に・か・く!かわいい!!

ヴィンテージのインド刺繍テープ

なんとなく、インドの刺繍ものだろうなとは思ったのですが、

なんだかどうもデザイン性やカラー使いが欧米っぽい不思議な代物。

「イギリスの植民地時代のインドで作られたもの」だそうです。納得いきました。

インドインドしてなくて、ちょっとキッチュなこの雰囲気が大好きです。

ちなみに、このようなインドの刺繍はアリワークといって、

オートクチュール刺繍と同じく特殊なかぎ針を使って刺繍されています。

一つ大きく異なる点は、オートクチュール刺繍は生地の裏側を見ながら刺繍するのに対して、

アリワークは生地の表側を見ながら刺繍する事です。それによってビーズやスパンコールの付け方もちがいます。

ヴィンテージのインド刺繍テープ

↑スパンコールの配色がおもしろいですよね、よく見るとスパンコールにドット柄のプリントがしてあります。

写真集などでも昔の刺繍を探す事はできますが、やっぱり生で見る刺繍は色々と発見できていいですね!

これらは池袋西武の催事「暮らしの骨董マーケット」で発見しました。

アメリアさんというお店です。20日までやってます。

興味のある人はお見逃しなく!


おしゃれポーチの作り方!

オートクチュール刺繍教室の生徒さんに渡そうと思って、

ファスナー付きポーチの作り方の説明書を作ってみました!

手書きの字が本当にお見苦しいですが、、、

初めてポーチを作る方でもわかりやすいように、簡単な手順で紹介しています。

本格的に作るには芯を貼ったり、袋布の吹き出しを防ぐステッチなどもするのですが、

この作り方でもいい感じに仕上がると思います!

もし間違ってる部分や、全然わかんないよ!(`ε´)という箇所があったら、

お気軽にブログにコメント下さいね☆

ファスナー付きポーチの作り方

ファスナー付きポーチの作り方

ファスナー付きポーチの作り方

ファスナー付きポーチの作り方

ファスナー付きポーチの作り方


なんとなく、ロココな気分

新しい課題の為に刺繍の試作中です。

試作中はいっつも適当で、玉止めの処理すらしない横着ものの私ですが、

いかに短い時間で多くの新しいテクニックバリエーションを試せるかの真剣勝負の時間です。

産みの苦しみで辛いひと時でもあります。

そんな中、いい感じに仕上がったこの作品。

ヴォーグ学園の課題作品のオートクチュール刺繍仕立てのポーチ

なんとなくヴェルサイユ宮殿の壁紙っぽいものになりました。ロココな気分です。

これは秋から始まるヴォーグ学園での課題作品に使用する予定です。

ポーチに仕立てられるようにして、クロシェやはさみなんかを入れて使ってもらえたらいいなと思います。

そういえば、

アパレルにいた時代からよく電車内でデザインを書いている時が多かったのですが、

最近またその習性がよみがえってきました。

単に、きちんと机に向かってデッサンする時間が惜しいということなんですが、
(あとデザイナーをしていた時は、車内のリアルな人のファッションを参考に出来てリサーチ替わりにもなったので、)

結構はかどるのが不思議です。

この作品も電車内で生まれたアイディアのひとつ。

もし東横線で小さなメモ帳に落書き的に刺繍図案ぽいものを書いている人がいたら、、、

それは私です。よかったら声をかけて下さいね!


あこがれのルサージュの刺繍

イヴサンローランのオートクチュールコレクションにも使われている「coquelicot」(コクリコ/ポピー)の花の刺繍。

これは絶対にしたい! とあこがれに思っていたルサージュの課題のひとつ。

これがあったが為にルサージュに長い間通ったと言っても過言ではありません。

オートクチュールコースの最後の課題、レベル8「coquelicot」です。

ルサージュの刺繍レベル8

トリを飾る作品にふさわしく、とても豪華で意匠に富んだ作品です。

実は背景の空の部分には、スパンコールやシルク(に似た糸)をびっしりと刺した後、

白い絵の具で霞のようなペイントをしています。

葉っぱの部分などもマーカー(!)でペイントしてより生っぽい感じにしています。

さすが洗濯を考えないオートクチュール!一般常識とはかけ離れた思考も表現されます。

このコクリコのある草原風景、意外とフランスやイタリアの原っぱでも見かけることが出来ました。

小さな白いマーガレットに、赤いコクリコが無造作に野生むき出しで街路に生えてたりします。

日本人にとってはメルヘンな草原風景ですが、

ヨーロッパの人にとってはちょっと懐かしい田園風景かもしれません。

野生のポピー

ルサージュのプロフェッショナルコースでオートクチュール刺繍の基本を学び、

その次のレベル7で刺繍に対する自我、自分は何が美しいと思うかと問う想いが芽生え、

この「coquelicot」で表現の自由さ、斬新さを求めるココロを学んだルサージュでの経験。

オートクチュール刺繍にはタブーがありません。

もちろん技術的にやってはまずいこともありますが、表現方法に制限はありません。

ちょっと前にお客様にもお話ししたのですが、

オートクチュール刺繍というのは、

女性の趣味というカテゴリーを超えた、職人の創り出す工芸の世界とも接する素晴らしい技術なんです。

こんなものがいつか自分の力で生み出せたら素敵ですよね?

継続は力なり、私もいつかとっておきの、そして誰かのあこがれになれるような作品が生み出せたらいいなと思っています。


新しいオートクチュール刺繍の講座 in ヴォーグ学園!

今年の秋、オートクチュール刺繍の新しい講座がヴォーグ学園横浜にて始まります。

春頃にお話を頂いてから告知の日を心待ちにしておりましたが、

ようやくみなさんにお知らせすることができました!

新しい講座は気楽に楽しみながら学んで頂けるようなものにしたいと思っております。

クロシェ(かぎ針、リュネヴィル刺繍)の基本から針・リボン刺繍を交えて、

より身近な生活を彩るような作品作りをお教えする予定です。

もちろん初心者のかた大歓迎の講座です。

ヴォーグ学園横浜校のカタログのトップページにドドン!と大きく紹介して頂いております!

ヴォーグ学園のオートクチュール・リュネヴィル刺繍講座

毎月第4土曜日の午前のクラス(10:00~12:30)で、定員は12名様までとなっております。

お申し込みはヴォーグ学園横浜校までお電話やメールでお問い合わせ下さい。

充実した課題を皆様にお届けできるよう頑張ってまいります!


オートクチュール刺繍の資格試験

この試験、合格することが出来るでしょうか???

CAPと言う、国が定める職人認定資格があります。
もしフランスでオートクチュール刺繍のアトリエで働きたいのなら必須の資格です。

もちろんテストはすべてフランス語。
刺繍の実技試験の他に、一般教養、美術の筆記試験もあります。

今年パリの友人が受験したので、その試験内容を見せてもらいました。

それがこちら。

オートクチュール刺繍の資格 リュネヴィル

これはおもにクロシェ(かぎ針・リュネヴィル刺繍)の実技試験課題。

なんだか適当そうな図案です・・・。

生地は分厚いフェルト地で、それと一緒に何か別の布(なんだかわかりませんが芯地を裏打ちするか、フィルムをかぶせるのだと思います。)を刺繍枠にセットする所から始まります。

そしてこれが指示書。

オートクチュール刺繍の資格

全部フランス語です。(当たり前ですが、、、)

解読に時間のほとんどを使ってしまいそうです。

指示書と図案を照らし合わせて、

ビーズを線状に刺繍したり、ポワンティレしたり、スパンコールで埋めたり、おもに基本的なテクニックのようです。

あとは銀糸のチェーンステッチもありそうです。

しかし!試験はこれだけではありません。

もう一つが、

オートクチュール刺繍の資格 針刺繍

針刺繍メインの課題。

オートクチュール刺繍の資格試験

これは本当に時間内に終わるものなのでしょうか・・・?

どのくらいの時間を与えられてるのか聞いてませんが、数時間のテストだったらきっと見込み薄です。

フランス語がいっぱいです。

サテンステッチとフレンチノット、ツイストステッチに別布(この試験ではリボン)にしわを寄せながらモチーフを表現するテクニックがありますね。

ほぼ基本の針仕事のようです。

友人曰く、とーーーっても難しかったそうです!!!

なんせ生地が分厚い上に二重ですしね。

このCAPを受験するためには、3ヶ月以上(たしか)のスタージュもしくはそれに相当するプロフェッショナルコースの授業を受ける必要があります。

ちなみにルサージュのプロフェッショナルコースで、このCAPの受験資格を得ることが出来ます。
(CAPを目指してる方、自分でもしらべてみて下さい。私はかなり前にしらべたのでうろ覚えになっている部分があります。)

特に受験票的なものをくれる訳ではないですが、

私はルサージュでプロフェッショナルコースを受講しました!という認定証(?)のような書類をくれます。

これは公式なものやなんらかの資格を発揮するではないです。
(*ルサージュで資格はとれません。)

友人はルサージュに行った後、公立の刺繍専門高等学校で学んでこの試験に臨みました。

彼女は私より2周り程年のはなれたマダムですが、高校生に混じって1年間勉強してました。

ルサージュでは習わないこともたくさん勉強できたようで、本当にうらやましい限りです。

私も一緒に行けばよかったな・・・。

CAPも受ければよかったな・・・。

とにかく、友人が合格することを祈ってます!!


オートクチュールコレクション:2013AW

7月3日に閉幕したパリの2013AWオートクチュールコレクション。

以前と比べると参加メゾンがぐっと減ってしまったように感じられます。

なんだか世相が垣間見えますね。

そんな中で、ちょっとおもしろいなと思ったスタイルをピックアップしました。

オートクチュールコレクション2013aw シャネル

シャネルのコレクションから、、、
ウールのミックスツイードにラメ箔をした生地のスカートかな?
と拡大してみると・・・

オートクチュールコレクション2013aw シャネル

なんと!四角いスパンコールがビッチリと刺繍されてました!
なんとなくツイード風にデザインされている感じです。

オートクチュールコレクション2013aw シャネル

こちらもシャネルから、、、
プリーツ生地でブロッキングされたビスチェかなーと思いきや、

オートクチュールコレクション2013aw シャネル

じつは全部羽根です!これはすごい!!マネできません。

オートクチュールコレクション2013aw ヴァレンティノ

お次ぎはヴァレンティノ。
端正なロングコートに虫が・・・?

オートクチュールコレクション2013aw ヴァレンティノ

やっぱり虫でした。

写真ではプリントや生地の織りに見えるような柄も、

オートクチュールコレクションでは刺繍で表現されていることが多く、

いろいろと研究になりますよ。

そういえば、ルサージュにいた頃、先生たちはコレクションの時期は徹夜続きで作業してるのよ!

と聞いて、フランス人も仕事で徹夜するんだー?!とびっくりしました。

絶対に大変だけど、ちょっとうらやましい世界です。


オートクチュール刺繍ってほんとおもしろい!

オートクチュール刺繍って、胸がどきどきするほど楽しい!

心からそう思えたのは、プロフェッショナルコースの課題を終え、次の新しい課題に入った頃。

「Ravel」という題名の、これぞオートクチュールという内容の作品でした。
クロシェのテクニックもより難易度が上がり、扱う材料も一癖あるものばかり。
とくに、生地が透けないのでまったく表の様子が分からないのが大変でした。
(生地の裏を見ながら刺繍しているので、透けている素材なら何となくどう出来上がったのかがわかります。)

ルサージュの刺繍レベル7

まるで修行のように、どうすればもっと美しく表現できるだろうかと探求しながらの作業。
プロフェッショナルコースの課題のときは言われるがままやっていた課題作業が、
自分らしさというか、自分は何が美しいと感じるかということに向き合いながらの探求作業に変わりました。

「これは普通の刺繍とは何かがちがう・・・、こんな真剣に作業したことなかった!」
毎日少しづつ出来上がっていく作品の出来映えにドキドキワクワク胸が高鳴っていました。
渡仏してから毎日学校と宿題のローテーションで全くといっていい程遊ぶことは出来ませんでしたが、
真剣に課題に取り組む時間は、遊びに勝る楽しさがありました。

「オートクチュール刺繍ってほんとにおもしろい!」

この楽しさ、もっと多くの人に知ってもらえたら、
もっと、もっとおもしろい!