課題作り、、、四苦八苦

レッスンの課題を作るのはいつも大変!

今回はクロシェ・ド・リュネビルのポワンティレという技法をメインに取り入れてひと作品、、、
と思い作ってみたものの、なんだかしっくりこないなーと悩み中。

ミニ巾着に仕立てたら絶対かわいい!とは思うものの、レッスンの進行としてはいまいちな気が。。。
メッシュの別布を取り入れたテクニックやリボン刺繍を盛り込んでも、それぞれけっこう地味な作業の連続で作っていて疲れてしまうかなーと感じてしまいました。
同じことの連続作業ってめんどくさいですよね。

なので思い切って没!!
早く新しいのをつくらないとー!


課題作り 〜 モチーフ仕立て 〜

10月からのヴォーグ学園の新学期、どんな課題にしようかなーと作品作り中です。

今回は絶対にモチーフ仕立てのテクニックをいれたいので、「身につけられるアイテム」とコンセプトを絞ってから作り始めました。
あとはステップアップしたテクニックを盛り込んで〜と、カリキュラムありきでデザインを模索。
簡単な花モチーフですが、じつは何バージョンも試行錯誤して納得のいく最終デザインまでたどり着きました。
(でも結局他にいいアイディアが浮かんでしまったのでこの作品は没!)

基本的なモチーフ仕立てのテクニックはいたってシンプル。
刺繍した布の裏に両面接着芯を貼って、外周を折り込んでアイロンで固定といった感じです。

でもそれを安っぽくならないようにするのはかなり大変!
最終的な厚み、硬さ、取り付ける金具等々、ものすごく考えさせられます。
私自身もいまだに納得する仕立て方には出会えてないので研究中です。
まぁ自分用の作品だったらてきとーでもいいかととりあえず手に入るもので仕立てますが、きちんと売り物として見えるようなものはまだまだ・・・。
試行錯誤が続きそうです。


お客様は作家さん

小さな手芸屋さんのお客様の中には作家さんやものづくりのプロの方がけっこういらっしゃいます。
そのなかのお一人、larabbiさん。
なんどもやり取りさせて頂くうちにご縁ができて、先日はlarabbiさんが出店するホビーショーに遊びに行ってきました。
実はもう2回目の訪問で、今回はどんな進化した作品になっているのかしらと期待も膨らみます。

もともとレジン作家をされていて、現在は刺繍とレジンを組み合わせたアクセサリー作りをされています。
仕立てでレジンを使ったりすることもありますが、表面のメインに取り入れているのがおもしろい組み合わせですよね。
裏面の仕上がりもレジン作家さんならではのアイディアが使われていてオリジナリティがあります。

今回はお花のスパンコールを使ったピアスが人気だったそうです。
伺ったときにはかなり在庫も少なくなっていたようで、他人事ながらよかったな〜と安堵しました。
作品を量産するのはとても大変ですから、、、
それが報われるのは本当に喜ばしいことですね。

これからの作家活動も応援しております〜☆
お疲れ様でした!


larabbiさんのブログはこちら


刺繍でコラボレーション

アーティストasako iwamizuとのコラボレーション作品。

専門学校以来の友人でもあるasako。
いつでも破天荒だった彼女も今や授賞暦のある立派なアーティストの一人で、
最近はルーブルでパフォーマンスを披露したりと大活躍!

ラブとハッピーが溢れるフェティッシュな曼荼羅を描く彼女のモチーフを刺繍で再現。
平面的なものにするのは何かちがうなと思ったので、
大ぶりなスパンコールを使ったり、立体テクをいれてボリューミーに。
カラフルな色の組み合わせが楽しくて、ノリノリで作れました!

個展会場もかわいかった〜!
またコラボの機会があるといいな☆



シャネル2015ssオートクチュールコレクション

シャネルの2015年春夏のオートクチュールコレクションが先月発表されました。

春らしく色とりどりの花があしらわれた生命力溢れる刺繍がたくさん。

本当に素晴らしいコレクションで、ため息と興奮がやみません!

総刺繍のシャネルスーツ総刺繍のシャネルスーツ

スパンコールで総刺繍されたアンサンブル。

白や薄いピンク色の平スパンコールのヴェルミセルで覆い尽くされています。

3種類くらいのスパンコールが使われているようなので、ヴェルミセルも3工程になりますね。
この面積だととても手間がかかりそうです。

*ヴェルミセルはリュネビル刺繍のテクニックのひとつ、ランダムに面を埋める技法です。

赤い花のドレス赤い花のドレス

アネモネの刺繍でしょうか?赤の色合いがとってもかわいいです。

花びらは別仕立てのパーツを組み合わせてふっくらと盛り上がっているようです。

身頃の部分はビーズでスパンコールを留めるようにでひと針ひと針丁寧に付けられています。

色とりどりの花のドレス色とりどりの花のドレス

ふわふわの別布使いがかわいいエンパイアドレス。

布を花びらのように見立てて、ギャザーを寄せたりタックを入れて成形し身頃に縫い付けています。

メッシュの生地に針で刺繍しているのに裏糸がほとんど目立っていない(要するに細かく糸止めしている)、そのこだわりの職人芸に尊敬の念を感じます。

パステルカラーの刺繍ドレスパステルカラーの刺繍ドレス

色とりどりのコサージュを身にまとっているかの様なドレス。色合いもデザインも美しいです。

スパンコールで花の刺繍をしたものを切り取って、別布と重ね合わせたりしながらふんわりとボディに縫い留められています。

おそらくそれなりに重量があるはずですが、それを全く感じさせない軽やかさに注目です。

パンジーの刺繍パンジーの刺繍

これも切り取ったお花を縫い留めて装飾されています。

パンジーのようなはっきりとした色彩が目を引き、大ぶりの透明スパンコールがキラキラと印象的です。

スパンコールだけでもこんなに美しくできるんだな、と改めて感じます。

今回のコレクションの刺繍たちはさすがオートクチュールだなと思わせる壮大さです。

最高のデザイン、技術、そして財力。

こんな世界に携わる事ができる職人は本当に羨ましいなと思います。

シャネル公式のメイキングビデオもありますよ。必見です!


オートクチュール刺繍のやり方 クロシェ・ド・リュネビル2

今回の刺繍のやり方動画は、クロシェで「ビーズ付け」。
前回の動画のチェーンステッチをマスターしたらチャレンジしてみてください。

ちなみに、ビーズと同じ要領でスパンコールも刺繍できます!


刺繍リメイクのススメ

最近ビーズ刺繍にはまってます。

オートクチュール刺繍とビーズ刺繍、テクニック的に何がちがうのかじつはよくわかってませんが、

オートクチュール刺繍はクロシェをメインに使う、ビーズ刺繍はクロシェを使わない、、、くらいの差で考えてます。

どんな技法にしろ、それぞれにいいところと悪いところがあります。

普通のビーズ針で刺繍する時のメリットは、すでに出来上がった洋服等に手軽に刺繍ができちゃうところ。

生地から刺繍するクロシェだと、素敵なものができあがっても自分で仕立てるのがやや面倒です。

自分で刺繍した服がほしいなーと思っても簡単には縫製できないですよね。

なので、そんなときはビーズ刺繍でリメイク!!

ちょうど衣替えで捨てるのがもったいない服がでてきたのでちまちまと刺繍リメイクしてみました。

刺繍リメイク

刺繍リメイク

寒色系の4mmスパンコール4色と透明オーロラの3mmスパンコール、マットなシルバーのビーズを使ってお花のように刺繍してます。

花芯にあたるところにビーズ1粒、まわりに4mmスパンコール+ビーズ+3mmスパンコールをワンステッチで止めて花びらに。

汚れてしまっていた襟元がキラキラに大変身です!

これでまた長く愛用できるようになりました。生まれ変われてシャツも嬉しそうです。

刺繍リメイク

気になるお洗濯ですが、手洗いモード+おしゃれ着洗剤で問題ありませんでした。
(*今回は淡めの材料を使ったので大丈夫でした。濃色の材料は移染する恐れもありますので、薄い色の服に刺繍するのは避けた方がいいかもしれません。心配なときは洗濯テストしてみてください。)

ただ、干すときは要注意です!

スパンコール等は色によって直射日光で退色するものがありますので陰干しして下さい。

アイロンもあててはだめです。スパンコールが溶けます。

なので洗濯の時も高温の水はやめてください。

捨てる寸前だったものが美しく生まれ変わって、愛着もよみがえり幸せです。

刺繍好きな方は捨てる前に一度リメイクしてみるのはいかがでしょう?!


コレクションで見る刺繍のアイディア 2014awマルジェラ

“オートクチュールの記憶”(a collective memory of Haute Couture)と名付けられたマルタン・マルジェラの2014awコレクション

マルタン・マルジェラはベルギー出身のデザイナーで、ファッションの既成概念を破壊するような美を練金する希有なクリエイターのひとり。

プレタポルテは日本でも人気があり、お店で見た事のある方もいるのではないでしょうか?

いつも驚きを携えた彼のコレクション、美的好奇心をビシビシと刺激する作品たちをご覧下さい。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

ヴァン・ゴッホの絵画アイリスが大迫力の刺繍で再現されたドレス。
色とりどりのスパンコールのグラデーション、ビーズにパールでびっちりと埋められています。
花びら部分のスパンコールは、線状に半重ねでステッチされている部分とウロコのように互い違いに運針している部分があり、それぞれの質感と輝きの違いがゴッホの艶かしいタッチを表現しているようです。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

ぱっと見なんだか全くわからない、触手が生えているような何か。
解説によるとこれは「ロブスター」だそうです。(頭が左下で触手部分が足。)
これもビーズやスパンコール、光沢糸でびっしりと刺繍されています。
スカートのドット柄の部分はなんと小銭!パリとブリュッセルの町角で拾い集められたものだそう。
誰にもマネのできない、圧巻のスタイルです。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

これらのドレスは刺繍サンプルをパッチワークして作られています。
右下の写真にはサンプルの品番までご丁寧に残されています。
刺繍サンプルは作り手にとっては財産のようなもの。私もどんなに汚い試作でも捨てる事が出来ません。
見るたびに作ったときのことや出会ったときを思い出すような、そんな“記憶”の詰まったドレスたちですね。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

これはカラフルな瓶のフタや金属の破片が刺繍されたパッチワーク風ドレス。
普段は絶対に材料として使わないような物を刺繍してみるのもおもしろそうです。
機械の部品や大工用品、文房具などなど、意外とよい材料が見つかるかもしれません。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

これも刺繍サンプルのパッチワークドレス。1着でたくさんの刺繍が見られる大変参考価値の高い作品群ですね。
このように大胆な組み合わせだと自分の作品には取り入れずらいですが、刺繍した物を組み合わせて新しい生地を作るという工夫やパッチワーク風の刺繍のアイディアはいつか役に立つような気がします。

オートクチュールコレクションの刺繍オートクチュールコレクションの刺繍

最後は刺繍の覆面。イチゴが茂っているようなイメージでしょうか。
モチーフ仕立ての葉っぱが重なりあうようにくっついています。
写真でみると平面的かもしれませんが、これは実際に見ると濃厚な凹凸感がありそうです。
葉っぱがメインな柄も素敵ですね。いつか私も作ってみたいと思いました。

いろいろな変わったデザインがあるんだなーと思って頂ければ、、、と考えて今回マルジェラにフォーカスしてみました。

美の感覚は人それぞれ。

自分が美しいと思える物に自信を持って行きたい、と気持ちを鼓舞させられるようなコレクションでした。


刺繍のやり方をyoutubeで配信中です

刺繍のやり方の紹介動画をYOUTUBEで配信しはじめました!(無料)

ビーズ針を使ったスパンコールの刺繍のやり方を始め、

先日はオートクチュール刺繍には不可欠な「クロシェ・ド・リュネビル」の技法もご紹介致しました。

当教室での体験レッスンが今後無くなってしまいますので、

来たくてもお越し頂けなかった方、独学で刺繍を頑張りたい方、刺繍にご興味のある方、

そんなさまざまな方に基本的なことからちょっとマニアックなところまで動画を通して学んで頂ければと思っています。

不慣れな動画作製なので時間がかかってしまいますが、

みなさまに喜んで頂けるような講座配信をできるよう精進して参ります!!

創作活動のお役に立てますように☆

「小さな手芸屋さん」の刺繍のやり方講座 ↓↓↓↓↓


簡単!スパンコールのお花の作り方

ビーズ針を使って簡単!かわいい!なスパンコールのお花の刺繍のやり方をご紹介。

上の写真のような、まるくふっくらと立体感のあるお花に仕上がります。

必要な材料:
*スパンコール(直径4~5mmのもの)
*ビーズ(特小サイズ)
*糸(ビーズ針に入る太さならなんでもOKです)
*生地(お好きなもので)

使う道具:
*刺繍枠(丸いのでも四角いのでもいいです。)
*ビーズ針(12~13号がおすすめ)
*糸切りはさみ

<作り方>
1、ビーズ針に糸を2本取りで通し、先端を玉結び(2回)。
生地の裏からお花の中心になる部分に針を出します。

2、ビーズ1粒・スパンコール1枚・ビーズ1粒・スパンコール1枚・ビーズ1粒・スパンコール1枚・ビーズ1粒の順に針に通します。

スパンコールの刺し方1

3、針の出ているお花の中心から外側に向かって5mm位離れた所に針を刺します。

スパンコールの刺し方2

花びら1枚分できたところ。

スパンコールの刺し方3

4、またお花の中心に針を出し、十字方向に、残り3花びら分同じステッチを繰り返します。

スパンコールの刺し方4

5、お花の出来上がりが最終的に丸い外周を描くように、空いてる部分を埋めます。
お花の中心から4の十字と対角方向に、1枚目のスパンコールが立ち上がっているあたりに針を出します。

スパンコールの刺し方5

6、ビーズ1粒・スパンコール1枚・ビーズ1粒の順に針に通します。

スパンコールの刺し方6

7、外側に向かって、4の十字と対角方向に3mmくらい離れたところに針を刺します。
  ここでのポイントは、出来上がった時に丸い外周を描けるようにステッチの長さを調節して針を刺すことです。

スパンコールの刺し方7

外側の花びらが1枚できあがったところ。

スパンコールの刺し方8

8、残りの3箇所同じステッチを繰り返せば、まんまるお花の完成!!

スパンコールの刺し方9

私が使った材料はこちら ↓↓↓↓↓
ピンクのお花の形のスパンコール
特小サイズのシルバーのビーズ

すでにお花の形をしているスパンコールなのでそのまま刺繍すればいいではないか?という感じかもしれませんが、

普通に刺繍する以外にどんなことができるかな?と思って作ってみました。

もさもさっとした綿毛のようなお花にできあがってかわいいです。

もちろん普通の丸いスパンコールでも同じことができます。

サイズによってステッチの長さや本数など、お好みでアレンジしてみて下さい。

さて、残りは背景部分。
微妙に空間を残しながら、ビーズとスパンコールでステッチの向きがランダムになるように埋めていきます。

必要な材料:
*スパンコール(4mm亀甲、使用したのはこちら
*ビーズ(丸小サイズ、使用したのはこちら

1、生地の裏から針を出し、ビーズ2粒・スパンコール1枚(亀甲を使うなら、へこんでいる面から)を通します。

スパンコールの刺し方10

2、4~5mmくらいの長さ(ビーズ2粒分の長さと同じ)でステッチします。
適度な空間を残しながら、同じことを繰り返してまんべんなく背景を埋めます。
ステッチする向きが揃わないよう、四方八方にランダムに刺して下さい。

スパンコールの刺し方11

できあがり!!

スパンコールの刺繍

どうでしょうか?そんなに難しくないと思います。

シャツの衿やスカートの裾、バックなどのポイントに刺繍しても良さそうです。

わたしはこのテクニックでびっしり刺繍したミニスカートがほしいです。いったいいつできるのやら・・・と感じますが。

とりあえず今回の作品はがま口に仕立てました。

その工程もまた後日のブログでご紹介したいと思います。

それでは、みなさんも思い思いに楽しんでみて下さい!!