「ルサージュに行かなければ!」という気持ちになったきっかけは、
昔テレビ東京でやっていた「ファッション通信」でオートクチュールコレクションのランウェイを見たことから始まります。
当時中学生ぐらいだったでしょうか。
初めて見るきらびやかで夢のようなファッションの世界が広がり、
こんな服がこの世に存在するなんて、、、と驚愕を受けたことを今でも覚えています。
ゴージャスな刺繍、キラキラ光る宝石類、見たことも無いようなデザインのドレス、そのすべてが衝撃でした。
なかでも一番の影響を受けたのは、「クリスチャン・ラクロア」のコレクションでした。
巧みな色使いに凝ったデティール、どことなくするエキゾチックな香り・・・
現在はコレクションをやっていないので残念な事ですが、今でも好きなブランドのひとつです。
その後専門学生の時に「ルサージュ」の存在を知り、
もともと手工芸が好きだったこともあって、「いつかはここで技術を勉強したい!」と明確に思い始めました。
それから紆余曲折を経て、2012年の6月、ついに念願が叶いました!
パリ滞在中のまる1年間、夏休み以外はほぼ毎日教室に通い詰め、
オートクチュール、インテリア装飾、金刺繍など、ほとんどのクラスを受講しました。
渡仏当初は、オートクチュールのプロフェッショナルコースと、その上の2つのレベルのクラスのみ受講する予定だったのですが、
教室で他の素晴らしく美しい課題作品を見たり、実際に自分が技術を習得し作品を仕上げた時の充実感から、
次から次へと受講するクラスを増やしていきました。
ルサージュにいる時に一番勉強になったのは、
オートクチュール刺繍の表現にはタブーがなくて、なんでも自由な発想で作品を作ることができるということです。
世界には様々な技法がありますが、だいたいがその特有のテクニックに特化して表現されています。
その点オートクチュール刺繍は、クロシェ、針・ビーズ・リボン・金刺繍、クロスステッチやレースだってなんでも、
好きなものや思いつきで作品を作ることができるのです。
刺繍した上に絵の具でペイントしたっていいんです。
こんなに自由で新しい表現にチャレンジできるのは、
毎シーズン新しいデザインを求められるファッションの世界に由来しているからだと思います。
自分の発想次第で何でも作ることができるオートクチュール刺繍、一度やったらやめられません。私はどっぷりはまってます。