アイディアいっぱいの生徒さんの作品

誰かが作った作品を見る、というのはいつでも刺激的なもの。

自分では思いもつかないようなアイディアがたくさん発見できます。

私たちは教室をやっているおかげで、生徒さんの様々な作品を見る機会に恵まれています。

先日見せて頂いたのは、課題作品を活かしたポーチとカルトナージュ仕立ての手鏡 ↓↓↓↓↓↓

オートクチュール刺繍の鏡とポーチ

オートクチュール刺繍のボーチ

オートクチュール刺繍の鏡

オートクチュール刺繍の鏡


ポーチはサテン地のキルティングと刺繍の相性がぴったり!

この仕立て方は思いもつきませんでした。勉強になります。

鏡はご自分で台紙をカットして仕立ててあり、サイドや表面にもこだわりの装飾で、

見せびらかしたくなる位に素敵でした。

この2つは、静岡から母娘でお出でになる生徒さんの作品です。

まるでセット商品のようですよね。DNAを感じます。

もうひとつ、お母さまが道具袋で使っているポーチがものすごーーーくかわいかったので写真を撮らせてもらいました。 ↓↓↓↓↓↓

パッチワークのポーチ

本当に欲しいくらいにかわいいです。売ってたら確実に迷わず買ってしまうくらいに。

色と柄と素材とサイズの全てが最高に好みです。私もこういうのを刺繍で作ってみたい!

毎度ながらみなさんの作品を見ていると、創作意欲が刺激されてわくわくしてきます。

アイディアの宝庫ですね!


サイズもいろいろ、クロシェのかぎ針の比較

オートクチュール刺繍用のクロシェ(かぎ針)には、70~120番までサイズがあります。

針のサイズは 70<80<90 …と数字が大きくなる程に太くなっていきます。

クロシェ・ド・リュネビル針の比較

その中でも一番よく使うのは、80番。

ビーズやスパンコールを付けたり、糸だけでステッチしたりと、特殊なことをしなければこのサイズ1本で事足ります。

では他のサイズはどんな時に使うか?というと、、、

★70番・・・一番細いサイズ。おもに皮に刺繍する時に針穴を目立たせないように使います。
個人的には、3mmスパンコールまたは極小サイズのビーズを刺繍する時(針の太さ分小さくステッチするのが簡単なので)や、
アリワークのように表からスパンコールなどを刺す時、
とても細い糸でシャープにチェーンステッチしたいときに使ってます。

★90番・・・50~30番手くらいの糸でステッチする時や、
80番だと糸が針にひっかかって作業がはかどらない時(とくに無撚糸や2本取りでのステッチなど)は、
潔く太い針で刺繍した方が楽です。

★100~120番・・・20番手(釦付け糸位)以上の太い糸でステッチする場合
個人的には120番が好きです。レース編みの太い糸でもいけます。

参考例として、70~90番を使って糸だけでステッチしてみました。 ↓↓↓↓↓↓↓

リュネビル刺繍のチェーンステッチ

1、70番を使って
スパンコールのようなスワロフスキーのパーツを表から刺しています。
パーツのサイズによっては80番でもできますが、穴が小さいものだと割れたりします。

2、70番とフィラガン
チェーンステッチの輪っかの巾が気持ち細くなります。針穴も80番と比べると小さいです。

リュネビル刺繍の針の穴の比較

3、80番とフィラガン
いちばん基本的な組み合わせです。

4、80番と刺繍糸(6本撚りの中の1本だけで)
フィラガンとちがって毛羽立ちがあるので、引っかかってやりづらい場合は90番を使ってみましょう。

5、90番で刺繍糸1本と金糸1本の2本取り
90番でもちょっと窮屈な感じは否めませんが、できます。

6、90番でフィラガン1本と金糸1本の2本取り
5よりも糸が細いのでやりやすいです。フィラガンを2色混ぜて2本取りにしてもおもしろいと思います。

7、90番と50番手の綿糸
80番でもいいですが、ちょっと太めの糸は90番でふんわりとステッチした方がボリュームも出てかわいくなります。

8、90番とポリエステル手縫い糸(40番手くらい)
これも80番でもいいですが、この手の合繊で撚りの甘い糸は針に引っかかりやすいので、90番の方がはかどると思います。

9、80番とシルクの釜糸(日本刺繍の糸)
この糸は撚りの掛かっていない細い繊維が何本も合わさっているので、扱いに慣れないとかなり針に引っかかって繊維があちこちから飛び出してきます。
細めの糸だったら80番で、上手くできないときは90番で。

10、90番と無撚糸
この糸は釣り具屋さんで買った太めの無撚糸。明らかに9の釜糸よりも太いので、潔く90番を使います。

と、こんな感じでサイズも糸の種類もさまざまあります。
また、作る人の手によっても力加減などの違いがありますので、一番やりやすいサイズの針を選んでみて下さい。
上に挙げた例は決まり事ではなくて、私個人の好みですので。

★番外編・・・90番のクロシェは「point de beauvais ポワンドボヴェ」という種類の刺繍にも用いられます。
今回のブログのために色々調べてたらおもしろいサイトを見つけたのでご参考までに。
(ただし全部フランス語です!)
ポワンドボヴェについて詳しいフランス語のブログ


ビーズステッチのワークショップ

針と糸でビーズを編む「ビーズステッチ」。

たくさんの小さなビーズを使うところや、繊細で立体感があって、ハンドメイドらしからぬ完成度、、、

なんとなくオートクチュール刺繍と同じ香りがするなー、

テクニックを刺繍に活かせないかしら?

と、以前より興味がありました。

偶然にも生徒さんのなかにビーズステッチの先生がいらっしゃいまして、

毎回自作のアクセサリーを身につけているのが素敵だなーと思っていました。

ちょうど明日より、その先生も参加される催事が大宮の髙島屋で開催されます。
(2月11日〜17日まで 髙島屋大宮店

ビーズステッチのワークショップもあるので、私も16日に遊びに行こうと予定してます。

上の写真のような、カボションをビーズで囲む作品作りだそうです。

ビーズで何かを半分包むようなテクニックはオートクチュール刺繍にはないので、
(おそらく繊細に仕立てるのは無理でしょう。)

これは絶対に今後の作品作りに活かせるな!といまからワクワクしてます。

最近、他の分野のテクニックも学んで行きたいなと思い立ち、

春からはパラグアイのレース編み(ニャンドゥティ)の講座を受講する事にしました。

いつもは先生役ですが、今年は生徒役になる機会も多くなりそうです!


特別なビーズ「シャーロット」

シャーロットビーズという種類のビーズをご存知ですか?

丸い形の1カ所にだけカットの入った、 ( | ←こんな感じの形です。
キラッと輝く星の瞬きのようなビーズのことです。

この可愛らしい呼び名は、その昔にアメリカの販売業者が彼の娘シャーロット(charlotte)にちなんで付けました。

当時は13/0という直径1.7mmくらいのサイズしか製造されていませんでした。
(現在は丸小サイズやもっと小さなミクロなサイズまで様々なバリエーションがあります。)

シャーロットビーズのサイズ比較

一般的にはこの形状のものをすべてシャーロットと呼んでいますが、
厳密にいうと本当の「シャーロット」は13/0だけで、その他は1cut、トゥルーカットと呼ぶのが正しいそうです。

ビーズの種類にも様々な歴史背景がありますね。
材料の背景を知ると、使う時に思入れが増して特別な作品にできるような気がします。

さて、そんなシャーロットビーズのとってもミクロな15/0サイズが小さな手芸屋さんに新入荷致しました。
滅多に手に入らないレアものです。
興味のある方はぜひお早めに覗いてみて下さいね☆

ちょっとしか仕入れられなかったので、自分用に取っておくのは我慢しました。。。
どうせ時間がないから活かせる作品も作れないので・・・。
なので、欲しい方にたっぷりとご活用頂ければと思います!


刺繍図案の下書きのやり方

みなさんはどうやって図案を生地に下書きしていますか?

チャコペンや鉛筆、図案ごと刺繍してあとで紙をむしり取るやり方など、いろんなやり方があると思います。

私の場合、使うのはチャコペーパー。

生地によって写りづらい時もありますが、オーガンジーならこれが一番!

どんなふうにしているかというと・・・、

1、準備するのは図案、生地、チャコペーパー、ボールペン等、重り、そしてカッターボード。

2、まずカッターボードにチャコペーパーを配置 ↓↓↓↓↓

刺繍図案の下絵のやり方

3、その上に生地と図案を置いて、四隅はしっかりと重りで固定します。 ↓↓↓↓↓
(大きな図案の時は大きな文鎮がベスト!)

刺繍図案の下絵のやり方

ポイント:生地は先に地の目を通しておきます。
     カッターボードの端を目安に、生地と図案の縦横を揃えると下絵が斜めになったりしません。

刺繍図案の下絵のやり方

4、ボールペン(インクのなくなったやつを使うとエコです)で、強めの筆圧で図案をなぞると・・・ ↓↓↓↓↓

刺繍図案の下絵の仕方

白地に白のチャコペーパーでもしっかり下絵ができます!

この方法の一番の利点は定規を使って直線を引ける事。
織り目で線がよれたりもしないので、直線を多用するデザインに便利です。

チャコペーパーの説明書では、薄地の時は生地の上に重ねてなぞる、、、と書いてありますが、
生地の下に置いた方が濃く写し取れる気がします。
それに図案を反転させる必要なく、生地の裏に下絵がのるので一手間削れます。

下書きの方法は様々、デザインや生地に合った方法でお試し下さい〜。


Bonne année 2014 !

新年明けましておめでとうございます!

皆様いかがお過ごしでしょうか?

寒い日が続いていますが、だんだんと日が延びて来ているので春も近いのかなーと感じてます。まさに新春!

今年は久しぶりに元旦にお参りに行ってきました。

お願いごとは、、、秘密です!

だいたい自分のことと、世界平和の2つをお祈りするのが私の決まり事となってます。

世界平和って、ちょっと夢がでか過ぎますが。。。しあわせに生活できている事に感謝という感じです。

今年1年どんな事が待ち受けているのか、、、正直不安でいっぱいです。

年が明けた瞬間、「あぁ、また同じ1年が始まるのかー、、、」とプレッシャーでお祝い気分がすっかり落ち込みました。

もちろんいい事はたくさんあると思いますので、ポジティブにまた一生懸命頑張って行きます!

お教室の生徒様、小さな手芸屋さんのお客様、それにブログをいつも読んで下さっている方々、

皆様にとりましても健康で素敵な2014年をお過ごしできますように!


今年最後のレッスン!

こんにちは!ご無沙汰しております。みなさまお元気ですか?

おととい土曜日は朝日カルチャーセンターでの1日講座でした。
お越し頂いたお客様、どうもありがとうございました!楽しんで頂けましたでしょうか?

今回はめでたく全員ご出席頂けて、またまた満員のレッスンとなりました☆

朝日カルチャーさんの講座は、いつもお近くにお住まいの方が多くいらしてくれて、
ご近所さんもチラホラ。もしかしたらどこかですれ違っていた事もあるかもですね!
ということは私生活でも気が抜けません!(笑)

偶然な事に、私たちがヴォーグ学園さんでやっている講座の日時に、別の講座を受講していらっしゃるお客様もいらっしゃいました!
次回はぜひぜひ覗きに来て頂ければと思います。

新年最初のカルチャースクールでのレッスンは、1月28日の東武カルチュアさんでの1dayレッスンです.
http://www.tobu-culture.co.jp/oneday/index201202.html

さて、これからは別注のお仕事で大忙しです。まさに師走!頑張ります。

朝日カルチャーセンターでのオートクチュール刺繍講座

朝日カルチャーセンターでのオートクチュール刺繍講座


みんな大好きトルコのオヤ

トルコのオヤ、ご存知ですか?

トルコの伝統的なレース編みの技術で、特に縫い針を使って編む(というか結ぶ)やり方のイーネオヤは独特な手法の繊細なものです。

以前より根強い人気で、よく書店で作り方の本を見かけます。

どうやら、オートクチュール刺繍を好きになる方はオヤにも同じく興味がある方が多いのでは?と最近思っています。
(最近出会った刺繍友達はイーネオヤにはまったようです。私も前からちまちまオヤ修行してました。)

根気がいって、難しいけど、できるとすごくやりがいのある繊細で独特な手作業。

そんな所が似通ってるかなと、勝手に思ってます。

先日、生徒さんが見せてくれたのが、ターキッシュクロッシェとオヤのコラボネックレス。

ターキッシュクロッシェのネックレス

↑太いビーズの鎖部分がターキッシュクロッシェと呼ばれるテクニックだそうです。

初めて見た&聞いたテクニックです!勉強になります。

オヤのかわりに刺繍モチーフを付けても相性が良さそうですね。

ちなみに私のオヤ作品↓

イーネオヤの試作

1年以上の間、全然できなくてあきらめかけていたある日、突然コツをつかんでここまでできるようになりました☆
(今はもう忘れちゃったと思いますが・・・。)

最後にもうひとつ、ネックレスを見せてくれた生徒さん作の刺繍ブローチ↓

ビーズ刺繍ブローチとトルコのオヤ

シンプルだけど味のあるデザインで、とってもナイス!です。

いろんな国のバージョンが作れますね!楽しそうです。

刺繍作品って、盛れば盛る程豪華に見えるのでごまかしがきいちゃうもので、

実はこういうシンプルなもの程上手くデザインするのが難しいなぁと感じます。

また色々見せて下さいね〜。


刺繍材料を探せる意外な?!お店・・・それは

ずばり釣具屋です。

フライフィッシングでは毛鉤(けばり)という、動物の羽根やカラフルな糸を使って作られた疑似餌を使います。

デザイナーの友人や刺繍をお手伝いしているクライアントさんに、

「釣具屋すごい使えるよ!」と聞いて、先日早速物色してきました。

カラフル材料好きな私にはまさに楽園!!

色とりどりで種類も豊富な羽根や、フロススレッドという糸に撚りのかかっていない糸(無撚糸とも言います)、

めずらしいシュニーユ(モール糸)やファーテープなどなど、

普通の手芸店では見られない刺繍材料がたくさんです!

さっそく手に入れた材料で試作をしてみました!

刺繍の試作

釣り具やで買った糸

刺繍の青い部分は、下の写真の左に写っている600デニールのレーヨンの無撚糸。
#80のクロシェでポワンティレをしました。クロシェから糸が外れると繊維がかなりばらけて針に絡まるのでちょっと難易度高め。でも#90のクロシェでやれば上手く行きそうです。

黄緑の部分は、長細いボビンに巻かれているシルクの無撚糸。
この糸は日本刺繍の糸と同じですね。日本刺繍用だったら取り扱ってる手芸店もあるので探しやすい材料だと思います。
#80のクロシェでポワンティレ、問題なしです。繊維がばらけにくく、生地通りがとても良いです。

薄い水色のチェーンステッチの部分は、極細のテグスのような糸を2本取りで使いました。(材料写真の右下)
肉眼で見るとテグス特有の透明感が残された、他の糸では難しい表現が可能です。このテグスは今回買った材料の中で一番のヒット!少し扱いづらいですが、この見た目が得られるのであれば大した困難ではありません。

下側の黒っぽい部分は、ラッピング用のリボンでよくあるようなメタル風の細いテープです。(材料写真の右のタマムシ色のテープ)
扱いに迷いましたが、太めの針で普通にステッチしてみました。テープがソリッドなので生地が破れるかもしれません。今の段階では破れはないですが、服などに仕立てて動きが加わったら擦れて危険度が増しそうです。
糸処理はてきとうに玉止めしました。今後使う場合は糸端の処理に一手間加える必要があります。
テープがくるくるクルクルするので、イライラしている時は扱えない材料ですね。

写真から見切れている蛍光黄緑色のチェーンステッチの部分は、歯磨きに使う歯間フロスのような、少し弾力を感じる細い無撚糸。(材料写真中央)
この糸は繊維がばらけません。見た目としては、この糸を使う必要はないと思います。ただ、普通の糸にはないカラーがあったので、グッと来た色があれば使うかなという感じです。扱い方は特に難しくありません。

あとは、シルバーラメのシュニーユ↓↓↓↓↓

シュニーユ

ラメというか細いフィルムが刺繍するたびにぽろぽろ落ちてくるので、やり直しなしの一発勝負で使うしかないです。フレンチノット、ポワンティージュ(英語だったらツイストステッチ?)、問題なくできました。
ポイント使いには便利そうなシュニーユです。
ちなみに一緒に写っているピンク方は、透明オーロラのフィルムが折り込まれています。めずらしいですね〜。

衝動的に買ってしまったのはこちらの羽根たち。色味が素敵です☆

色とりどりの羽根

お店には鳥の頭がくっついたままの大きな羽根つき胴体(?)もありました。
舞台衣装やパーティー用の作品にはかなり使えると思います。今度私も試してみたいです。

普通の手芸材料に飽きてしまったら、ぜひ釣り具屋さんへ!
(ちなみに私が行ったお店は、渋谷にあるSANSUIさんです。)


ビーズアートショーの3日間

久しぶりの筋肉痛です。

先週末の3日間、横浜の「Beads art show」に出展しておりました。

在庫のチェックや備品の片付けも終わり、ようやくいつものペースに戻れました。

生徒さんを始め、小さな手芸屋さんのお客様、前回の春から引き続きおいで下さりましたお客様、

そして今回で初めて出会う事のできたお客様の皆様、貴重なお時間を頂きましてどうもありがとうございました!!

数多くの差し入れも頂きまして、とても感謝しております。
(次回はぜひとも手ぶらでお越し下さいませ。)

お越し頂けなかったお客様からも、暖かい応援のメールを頂けましてとっても感激でした。

慌ただしくて頭がぼんやりしていたのですが、そのメールを見た瞬間にピコーン!と目が冴えました!

長いおつきあいや、一期一会、様々な出会いがありますが、

できるだけ多くの出会いを記憶にとどめて、次回の来年春の出展やこれからの活動に臨みたいと思います。