フランス人へのお土産選び

先日、書籍「オートクチュール刺繍のきらめき」を、フランスのスパンコールのメーカーさんに送りました。

出版前から本を出すということを話していて、できたら送ります!と約束してから、届けるまで半年以上も経ってました、、、。

ちょうどいいいい機会だったので、日本の銘菓も一緒に♪

でも、美食の国の方のための手土産選びはホント難しい!

日持ちがして、独特過ぎないけど、日本ぽいもの、、、

結局、デパ地下を小一時間彷徨って、「かもめの卵」と包み紙が和風なあられ煎餅を選びました。

あんこのお菓子は、豆料理に馴染みのあるフランスの方々に好まれることが多いんです。

とくに白あんは食べやすいみたいで、「ひよこ」も喜ばれたことがあります。

一口サイズのお煎餅は、食前パーティーのツマミ用。

向こうでは、家族や親しい人が集まると延々とアペリティフを楽しむので、その時に使えるように、と選びました。

ようやく、差し入れも本も渡せて、メーカーさんにもよろこんでもらうことができ、

これで書籍の仕事も本当に一段落ついたと思って、肩の荷がおりました。

本を見てもらうのは、なんだか怖い気持ちもあって、ずっと先送りにしちゃってたのですが、勇気を出してよかったです。

本当のリュネビルの国で、オートクチュールの世界に生きてる方々だから、見てもらうなんて恐れ多いし、もしも、万が一、ネガティブな事を言われたら立ち直れない、、、と弱気だったので。

結果、予想よりも労ってくれて、Bravo ! まで頂けました。

よかったよかった。


オートクチュール刺繍への想い

オートクチュール刺繍について、雑誌「ふらんす」で連載しています。

2021年9月号から半年の、6回の短期連載。

白水社さんからお話を頂いたときは、6回なら気軽にできるかな、と少々余裕に考えていましたが、

回が進むに連れて、書くことがどんどん難しく、最後はもう追われてぎりぎり😰

もっと最初にきちんと構成を考えておけばよかったと、悔しい思いをしました。

それもようやく、今月で連載最終回の校正が終わります。

まだまだ知られていないオートクチュール刺繍。

ふらんす読者の方々の中で、少しでもファンが増えればという気持ちで取り組んできました。

これから始める人にとっても、刺繍についての基本的なバックグラウンドを知っていただけるよう、ご紹介したつもりです。

最終回では、パリの刺繍学校ルサージュで学んだことを通じて、私自身のオートクチュール刺繍への想いを乗せました。

書きながら、自分がまだまだ未熟なことに気づかされ、もっともっと上手くなりたいと、気持ちが新たになりました。

フランス伝統のオートクチュール刺繍、モードとともに、いつでも新鮮な世界が広がります。

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コラム連載 雑誌「ふらんす」

雑誌『ふらんす』にて、コラムの連載を担当させて頂くこととなりました。
「ようこそ、オートクチュール刺繍の世界へ!」という題名で、執筆中です。
オートクチュール刺繍の魅力や歴史、テクニックのことなど、ルサージュに留学した実体験なども交えて、語っていきたいと思います。

雑誌『ふらんす』は、1925年創刊。
フランス語学習とフランス語圏文化に関する唯一の月刊誌です。

現在発売中の10月号から、来年3月号まで、6連載します♪

ふらんす

フランス発祥のオートクチュール刺繍、少しずつ認知度も高まってきてはいますが、まだまだハンドメイド界隈に留まってる気がするような…
そんな折に、「ふらんす」担当の方から光栄なお話を頂き、沢山の方に愛読されている雑誌で、この刺繍をご紹介できることになりました!

多くの人が興味を持ち、憧れる、フランス。
きっかけは、語学、歴史、料理やお菓子、人それぞれですが、
「フランスを愛するすべての方に…。」という大きな視点から、フランスの伝統的な手仕事であり、芸術でもあるオートクチュール刺繍も、読者の方に知って頂ければと思います。
そして、連載を通して、その魅力と無限の可能性をお伝え出来たらと、心を込めて執筆中です。

ふらんす目次

そして、雑誌『ふらんす』は、毎号フランスに関する、数多くのコラムが連載されています。
フランス語、文学、歴史、思想、映画、食、人物評伝、エッセイ、アクチュアリテなどなど、興味深い内容ばかりです。
ぜひ合わせて、ご覧くださいませ。


雑誌『ふらんす』
出版社:白水社 HP
発売日:2021/09/23(2021年10月号)-2022/02
サイズ:A5・80ページ

コラム連載 (2021年10月号-2022年3月号まで全6回)
ようこそ、オートクチュール刺繍の世界へ! フィロザ美南


幻のプラントン

珍しい柄入りのスパンコールの中に、ピンク色の靄がかかったような「プラントン」という色があります。
とても幻想的な色合いでとっても好きなものの1つ。

でも、、、もう当分手に入らなくなります、、、

数ヶ月前、プラントンの在庫がそろそろ少なくなってきたので、新しいものをメーカーにお願いしていました。
それが先日届いて、色を確認すると今までとぜんぜん違う色合いのものが!!

届いたプラントン

えーこれなにコレ?こんなの頼んだっけ??と、まずはびっくり。
プラントンぽいけど、、、すごく色が濃いし、ぜんぜんピンクじゃない、、、もしや製造ミス???、と不安がよぎります。
今までのプラントンと比べて見ても、同じ色には見えない、、、がーん。ショックで仕事が手につかないほど。

*写真の右が今のプラントン、左が新しいプラントン
今と前のプラントン

フランスのメーカーに聞いたところ、今まで使っていた原反(スパンコールにする前のシート状のもの)が終わってしまい、新しいロットに変わったということが判明。
今まで使っていた原反は2010年に製造されたもので、今回のは2016年の新しい原反。
何年も前からずっとこのプラントンをお願いし続けていて、前の発注は2017年。その時はこちらのために特別にとっておいてくれていたという2010年の原反から製造していたので、おかげであんなに愛らしいプラントンの花が生まれました。
今回はその原反の量が足りなくなり、新しいもので作らざるおえなかったそうです。

丸いスパンコールに切り抜かれる前のプラントンは、ピンク・紫・グリーンの水玉が重なり合ったような模様をしています。
それが丸く小さなスパンコールに切り抜かれることで、あのような抽象的な色合いに変身します。

2016年の原反が2010年のとなぜこんなに雰囲気が変わってしまったのかというと、
* プリントに使ったブラシが新品だったので、染料のノリがよかった。
* 柄の配置をオリジナルに戻した(オリジナルは2005年の原反で、2016年のそれとほぼ同じ。2010年のがむしろロットブレ?)
* 機械を使うプリント方法だけど、職人技を要するのでばらつきは出る
などなどと、様々な原因が積み重なって起こったそうです。

このプラントンは手作業では作れないし、淡い色合いで機械プリントする方法は研究しなければわからないし、最近はビックメゾンの仕事で忙しすぎてそんな暇もないけど、もしかしたら研究するよ、、、と、ほんの少しだけど前向きな言葉を聞き、可愛らしいピンクのプラントンの再来は、祈るように待つしかないと思いました。

最後に少しだけ余った2010年原反でお花スパンコールを追加でお願いしました。
これで本当に最後。
普通のスパンコールにしてもらうか迷ったけれど、最高にかわいいお花ちゃんとしていつまでもアーカイブしたいと思いました。

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パリの刺繍学校

いますぐパリ行きの飛行機に飛び乗りたい、、、
ルサージュ仲間の下村小百合さんの著書「パリの刺繍学校」を読んで、一番こみ上げてきた感想です。
小百合さんの体験談と自分の思い出が重なって、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

「パリの刺繍学校」は、エコール・ルサージュという刺繍学校への留学体験がきめ細やかに記された本です。
オートクチュールの刺繍を数多く手がける刺繍アトリエ「ルサージュ」がそのエコールを運営しています。
ルサージュはフランスでも世界でもとっても有名なアトリエです。ファッションなんて何も知らないような養父でさえ知っていて、嫁の私がそこに通っているということを自慢にしていたくらいです。

私が通っていたのは2011年から2012年のこと。
著者小百合さんの渡仏の時期と前後して、私も同じように毎日の宿題に追われ、初めての海外生活に喜びと切なさを感じ、刺繍をめいいっぱい楽しんでいました。
当時新婚だった私は、結婚式の資金や貯金のほとんどをその時に費やしてしまい、その結果、結婚式は今も挙げないままに、、、試着でもいいからあの時にドレスを着ておくべきだったと少し後悔の念も笑

「パリの刺繍学校」に出てくる先生方の中で、私が一番尊敬していたのが名物(?)フロランス先生。とっても気分屋でキツいけど、刺繍は誰よりも美しく論理的で、彼女に教えてもらえる日はいつも特別でした。

帰国してもしばらくずっと、刺繍中にフロランス先生の教える声がエコーのように頭に鳴りに響いていました。
守護霊のように聞こえていたその声はいつしか消え、今わりに鳴っているのは自分が生徒さんに教える声。
ようやく私も刺繍の技術を自分のものにできはじめたのかもしれません。

フロランス先生との大事な思い出がひとつ。
ルサージュでのカリキュラムが終りに近づいて来た頃、帰国したくなかった私は、思いきって彼女にこう聞きました。
「どうしたら刺繍の世界であなたのようになることができますか?」と。
その返答には思いもしなかった言葉、忘れることはできません。
フロランス先生はいつもの調子でこう答えてくれました。
「ルサージュで先生をすれば?日本人の生徒さんも多いし、ちょうど先生を探しているところだし。あなたは上手だから、仲のいいディレクターに推薦してあげるわよ」
まさかこんな風に言ってもらえるだなんて、とても嬉しくて、まるでフロランス先生から勲章を授けてもらえたように思えました。
結局はそのオファーは家族の都合と英語が必須という理由から申し込むことはありませんでしたが、その勲章が後ろ盾となって、日本で活動を始めて今日までひた走れた気がします。

小百合さんの本を読んで久しぶりにフロランス先生の教える声を思い出し、パリの街並みや空気に触れたい気持ちが高まりました。
ルサージュが憧れの方、刺繍が好きな方、これから留学してみたいという方にはぜひ読んでもらいたい本です。


【パリの刺繍学校】
著者・下村小百合さんのホームページで販売中です。http://parisbroderie.leesworld.info/

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オートクチュールの歴史、おすすめの本

オートクチュール、オートクチュール刺繍、いろいろ聞くし、なんとなくわかるけど、本当のところ、オートクチュールってなんだろう???って思いませんか。

オートクチュール(haute couture)とは、高級仕立て服のファッションビジネスです。
フランスのパリを中心として、1860年代から続いているシステムで、実はとても細かい定義の上に成り立っています。

例えば、
制作方法…顧客かモデルの身体を使って1回以上の仮縫いを行い、外注せずに自社で制作すること
発表方法…オートクチュール組合が定めた日程で、パリで年2回のショーを行うこと
企業規模…20人以上の従業員、商業登録、行政による承認
などなど、厳密なルールが存在します。

オートクチュールのドレスは1着で600万から700万円もする超高級品。
1943年に2万人にものぼった顧客数は、1990年には200人にまで減ってしまったそうです。

そんな歴史的背景や数々のオートクチュールメゾンについて詳しく書かれているとてもいい本に出会いました。
ビジネスと香水の関係、高級プレタポルテの発祥、今後の業界の行方など、、、全般的にとっつきやすく説明されていてスイスイ読めました。
オートクチュールについてより良く理解することができた、まさにバイブル!
おすすめです。

文庫ク・セ・ジュのオートクチュール

amazonで売ってます。→→→ オートクチュール: パリ・モードの歴史 (文庫クセジュ)

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オートクチュールファッションの展覧会

「モードとインテリアの20世紀展」(パナソニック汐留ミュージアム)に行ってきました。

年代を象徴するようなドレスやファッションプレート(昔のファッション誌みたいなもの)が見れます。
ポワレにヴィオネ、シャネル、ディオール、バレンシアガなどのオートクチュールのドレスは、やはりひときわ美しいです。

年代ごとにマネキンのボディラインが変わっていくのも興味をひかれました。
1920年までは鳩胸で、首も寸胴な感じで、the クラシックって感じですが、以降はバストも現代の位置になり、首や肩周りもほっそりと変わっていきます。
22世紀になったとき、今の女性の体つきを見たら「なんか古い〜」となるのでしょうか・・・

以前のオートクチュール展に引き続き、最近はファッションの展示が多い東京です。
今回のはこじんまりしたボリュームなので銀座散策のついでに寄ると満腹感を得られそうですヨ。

「モードとインテリアの20世紀展」
 http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/16/160917/index.html

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シャネル風オートクチュールスパンコール

ハンドペイント仕上げの超スペシャルなスパンコールが入荷しました。
まさにオートクチュールなクオリティ!

シャネルツイードを模したこのスパンコール。
2012年のオートクチュールコレクションでシャネルが使用したものをフランスのメーカーに特別に作ってもらいました。
刺繍すればとってもリッチ、モードの香りが漂います。

円形にカットされる前はこんな風に色づけされています。

シャネルツイードスパンコール

ところどころ入っているシルバーや紺のラインは、なんと手書き!!
こんなに贅沢なスパンコールは他にないのではないでしょうか。
ワンランク上のものづくりにぜひ取り入れてほしい特別なスパンコールです。

柄入りスパンコールを活かすデザイン

柄入りスパンコールは見ているだけでも綺麗ですが、いざ刺繍にしようと思うとどうしようかな、、、と。
せっかく模様が入っているのだからそれを活かすように使いたいですよね。

こうした特別なスパンコールはいわば「フォアグラ」。
小細工なしでその素材をどーんと見せるようなデザインがいいと思います。
小さいものよりも大きいもの、おすすめは花びらの大きいコサージュ。それかこのスパンコールをびっしり刺繍しただけでも素敵なポーチ類にできそうです。

オートクチュール刺繍の花コサージュ

作品例のコサージュは花びらや葉っぱの周りにワイヤーを仕込んでいます。ワイヤーはスパンコールをつける前に、リュネビル刺繍の小さなチェーンステッチでジグザグ縫い止めます。出来上がったら端の始末はハサミでカットするだけ。立体感も自由自在です。

フランス製スパンコールの刺繍

使用したスパンコールやビーズは小さな手芸屋さんで販売しております。

【糸通しスパンコール】5mm平 ツイードブルー

【糸通しスパンコール】4mm亀甲 オーロラパウダーブルー【1000枚】

【スワロフスキー】3mm ラインストーン クリスタル【3個セット】

【チェコ製・糸通しビーズ】13/0 シャーロット ベビーブルー

【ヴィンテージ糸通しスパンコール】4mm平 ミントシュガー

【糸通しスパンコール】4mm平 オーロラアイスグリーン【1000枚】

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フレンチヴィンテージビーズいろいろ☆

フランス製のヴィンテージシードビーズがたくさん集まりました〜。
フレンチシードビーズならではの、日光のような温かみのある輝きに包まれて思わずうふふ。

今回は優しい風合いの半透明系の色をメインに、丸小よりもひとまわり小さくて、扱いやすい小粒サイズたちをたくさんバリエーションしてみました。
ビーズ刺繍にはもちろんだけど、リボン刺繍やレースに使ったらなおさらかわいいなーと思います。

ビーズの産地といえばチェコや日本が世界でも有名ですが、フランスでもシードビーズは作られていました。
その唯一のメーカーは10年ほど前になくなってしまったので、今あるのは昔に作られたものだけ。
高い職人技が世界から消えていってしまうのは残念なことです。
日本のメーカーさんも無くならないように私たちが支えていかないとですね!

このフランス製ヴィンテージビーズたちは、来る5月19~21日のビーズアートショーに持って行きます!
小さな手芸屋さんの通販サイトでの販売は今のところ未定です。

あと、個人的に集めているものや今後販売予定のチェコシャーロットビーズもちょろっと持って行きますよ〜。
ぜひお楽しみに!!

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フランスの結婚式、プロヴァンスの休暇その3

今回の休暇の最大の目的、それは義姉の結婚式への出席でした。

初めて体験したフランスの結婚式。

日本とは全くちがうその様子をご紹介です。(長編です。)

〜 式の前 〜
長い1日の幕開けは新婦の自宅から始まります。
新婦は着替えや準備などをすまし、そこへ新郎が迎えにくるのを待ちます。
準備が終わるまでは新郎はお家に入れず、家族やゲストと一緒に外で待機してるのです。
この時点で式の参加者の約半分くらいがすでに集まっていました。

新婦のお着替え

新郎が迎えに来ました!ゲストたちも拍手で出迎えます。

花婿のお出迎え

野次馬の子たちや隣人も注目の中、記念撮影第1段です。

野次馬たち

ひとしきり写真をとった後、新婦・新郎・家族たちはそれぞれの車で次の会場、
この日1番大事な場所「役所」へと向かいます。
ゲストたちもみんな車です。車社会なんですね。
その道中、車たちは1列となってお祝いのクラクションをならしながらゆっくりと行進します。
対向車もクラクションで応戦してくれます。

花嫁の車

〜 役所での式 〜
日本の結婚ですと婚姻届けは事務的なものなのかもしれませんが、フランスの場合はちがいます。
役所で婚姻届けにそろってサインするのが1番肝心なのです。

結婚式が行なわれるのは土曜日が主なので、役所には何組のものカップル&家族・友人たちで賑わっており、順番が回ってくるまで外で待たされます。

日陰で待ちぼうけ

式の順番が回ってきました!
装飾された小さな会場で、ゲストたちは新郎新婦の入場を待ち受けます。
日本でもおなじみの「新郎新婦ご入場です!パンパカパーン」という感じです。

ここでの司会役はこの地域の「助役」。
その助役は新郎の友人ということもあってか、和気あいあいとした雰囲気で饒舌に冗談を飛ばしていました。
結婚式を担当する助役は口達者が選ばれるのかもしれません。

新郎新婦の紹介や助役のスピーチのあと、婚姻届へのサインをみなで見届けてここでの式は終了です。
その間30分くらいの出来事。堅苦しい感じは皆無でした。

市役所

〜 教会での式 〜
またしても車の大名行列で、次の会場の教会へと向かいます。

役所での式は必須ですが、教会での式はやってもやらなくてもどっちでもいいとのこと。
ちなみに、離婚経験のある人は教会で式をすることはできません。(キリスト教)
なので、すでに別の女性との子供が2人もいる新郎だったので教会には行かないのだろうと思っていたのですが、
結婚はしていなかったのでセーフだったようです。
(フランスでは事実婚(パックス)が広く認められており、婚姻と同じくらいの権利が与えられています。また最近は同性愛者の婚姻も認められています。)

さて、教会での式もまた型破りなものでした。
始めのうちは厳かな雰囲気に包まれていましたが、だんだんと雲行きが怪しくなってきます。
なぜなら、式の詳細を取りまとめていた教会の担当者が休みの為に、ご高齢の神父さんは進行にあたふた。
どの文章を読むんだったかなー、となんだか心もとない感じで、列席者もちょっとざわざわとし始めます。
日本でよくある「あなたは〇〇を配偶者として認めますか〜云々」の掛け合いはなく、
新郎新婦に「ここ読んで下さいね」と宣誓を促します。
指輪の交換はありましたが、誓いのキスはなかったような気がします。

教会

その後、神父さんはなぜか未成年者を中央に集め、輪になり子供たちの祝福を祈ったり、
どこかへ引き連れて行こうとしては、すぐにまた戻ってきたりと、
列席者たちは「???」という感じで、ざわざわと騒がしくなっていました。
あとで家族に聞いたところ、全然普通の進行ではなくみな口々におかしかったねとのこと。
なんだかまとまりのない感じで式は終わりました。

教会で記念撮影

〜 披露宴 〜
教会のあとは近隣のパーティー施設での披露宴です。
時はすでに夕方。屋外でアペリティフを楽しんで暗くなったら室内で宴会が始まりました。
会場内はまるでクラブのよう。大音響の音楽とチカチカの照明、司会者はDJです。
みな食べて飲んで踊ってという感じでパーティーを楽しみます。
それが夜更けまで続くのです。。。(つらかった・・・。)

パーティー

夜の12時をすぎた頃、ケーキ入刀がありました。
これが終わるまではみな帰れません。
小さな子供たちも87歳のおばあちゃんもみなまったく疲れていないようで驚きです。
私や夫は長旅と普段全く外出しない生活を送っている為に早々に疲れ果て、
いったいいつ帰れるのだろうかとぐったり。
午前1時をすぎてちらほらと人が帰りはじめ、私たちも念願の帰路につけました。
パーティーはきっと朝まで続いていたにちがい有りません。

パーティー

こうしてみると、まったく習慣のちがうフランスの結婚式。
今回の式はごく標準的なもので、リッチな人々はお城を貸し切ってパーティーをしたりとクラスも色々のようです。
なかなか経験のできることではないので貴重な体験でしたが、大変な1日でした。

おわり