1810年、リュネビル刺繍、歴史のはじまり

リュネビル刺繍の歴史のおはなし。

技法が生まれたのは1810年のフランス、リュネビル地方。
当時はビーズやスパンコールを刺繍するためではなく、チュールの上に糸で刺繍してレースのように見せるための技法でした。
聖職者の法衣、祭壇布、洗礼用のドレスや帽子によだれかけ、ショールなどが作られ、リュネビル地方の特産となりました。

クロシェという鋭利なカギ針を使うリュネビル刺繍。
まだ家内制手工業が盛んだったその時代、クロシェの使いやすさはその地方の刺繍職人たちの間で話題となり、大きな流行となったそうです。
その後、ビーズやスパンコールにもリュネビル刺繍が活かされ、オートクチュールの歴史とともに今に至ります。

2回の世界大戦をはさんで刺繍もファッションも衰退ムードになりますが、人々の熱意によって見事復活し、発展し続けています。
それはフランスだけでなく日本でも。

オートクチュールの文化はないけれど、その美しさに魅了された私たちなりに、この伝統技術を育んでいけているのかなと思います。
まさか遠く離れた日本の地でこんなにリュネビル刺繍が人気だなんて、当時の職人たちは想像もできなかったでしょうね。

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オートクチュールの歴史、おすすめの本

オートクチュール、オートクチュール刺繍、いろいろ聞くし、なんとなくわかるけど、本当のところ、オートクチュールってなんだろう???って思いませんか。

オートクチュール(haute couture)とは、高級仕立て服のファッションビジネスです。
フランスのパリを中心として、1860年代から続いているシステムで、実はとても細かい定義の上に成り立っています。

例えば、
制作方法…顧客かモデルの身体を使って1回以上の仮縫いを行い、外注せずに自社で制作すること
発表方法…オートクチュール組合が定めた日程で、パリで年2回のショーを行うこと
企業規模…20人以上の従業員、商業登録、行政による承認
などなど、厳密なルールが存在します。

オートクチュールのドレスは1着で600万から700万円もする超高級品。
1943年に2万人にものぼった顧客数は、1990年には200人にまで減ってしまったそうです。

そんな歴史的背景や数々のオートクチュールメゾンについて詳しく書かれているとてもいい本に出会いました。
ビジネスと香水の関係、高級プレタポルテの発祥、今後の業界の行方など、、、全般的にとっつきやすく説明されていてスイスイ読めました。
オートクチュールについてより良く理解することができた、まさにバイブル!
おすすめです。

文庫ク・セ・ジュのオートクチュール

amazonで売ってます。→→→ オートクチュール: パリ・モードの歴史 (文庫クセジュ)

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刺繍を立体的に仕立てる

花びらのパーツを縫い重ねて作ったポピーのブローチです。
それぞれのパーツが狙った立体感になるよう、図案の段階からサイズを調整して、試し縫いをして、また図案を調節して、、、という地道な工程を経て出来上がりました。
パーツを縫い付ける時も、ちょうどいいふんわり感がでるように位置を微調整したり、場所によっては糸を緩めに縫い付けて思い描く造形に仕立てます。
図案が完璧でも刺繍でずれることもあるので一筋縄ではいきません。

刺繍ブローチの仕立て方

★刺繍をブローチなどに仕立てる方法は「目玉焼きのブローチと仕立て方」にも説明があります。


立体的な刺繍にはワイヤーもとても役立ちます。ワイヤーはクロシェ・ド・リュネビルで細かくジグザグステッチするか、普通の刺繍針でコーチングステッチすれば布に縫い止められます。そしてその上にビーズやスパンコール・糸を刺繍し、布から切り離して縫い代を裏に折り込み、パーツに仕立てます。

★ワイヤーを刺繍する方法は「ワイヤーを入れた刺繍モチーフのテクニック」も参考になります。


リュネビル刺繍のポピーブローチ

作品作りは何事もチャレンジ!失敗を恐れずになんでも試してみましょう〜

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糸づかいのアイディア、リュネビル刺繍のチェーンステッチで

新しい作品作りをしています。
その中で、ちょっと面白いテクニックがあるのでご紹介します。

リュネビル刺繍のクロシェを使って細かいチェーンステッチをして面を埋めるテクニック、通称ランプリサージュというのがあります。
ようはびっしりチェーンステッチをしているだけですが、ただ普通の糸を使って埋めるだけではつまらないので、2種類の糸を組み合わせてやってみました。

無撚糸とギッターマンの糸

ひとつは、細い繊維が髪の毛のように束なった光沢のある糸。日本刺繍で使う絹糸に似てます。ルサージュで勉強してた方はシルク(soie)でピンとくる糸です。(*豆知識・こういう撚りのかかっていない糸は「無撚糸」(むねんし)といいます。)
もうひとつは細めの金糸。

そのふたつの糸を一緒に、針が太めのクロシェ・ド・リュネビル(90番)を使ってのランプリサージュです。(80番だときついですね。)
(*豆知識2・2本以上の糸を撚らずに1本の糸のようにすることを「引き揃え」といいます。編み物好きの方にはおなじみの用語ですね。)

無撚糸と金糸のチェーンステッチ

無撚糸はふわふわとしてステッチがやりにくい糸ですが、つやつやとした光沢やふんわりとした風合いはとっても綺麗です。高級感がでます。

ただ、普通サイズのクロシェ(80番)で扱うと繊維が上手に拾えず毛羽立ってしまうことも。。。糸の扱いに慣れない方は太めの90番を使うのがいいかなと思います。

使った無撚糸は京都の糸屋「アートファイバーエンドウ」さんで通販できますヨ。
金糸やリュネビル刺繍の針は【小さな手芸屋さん】で❤️

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リッチな輝き、ソレイユスパンコール

放射状の地模様の入ったスパンコール「ソレイユ」の新色が入荷しました。

華やかな輝きとユニークな表面感が特徴のこのソレイユ。
強調したい部分に使うのもよし、のっぺりしがちな広い部分を飾るのにもよし、大活躍できること間違いなし。

少しブルー味を帯びた黒のソレイユスパンコールは、紺色などとの相性が抜群です。
黒のニュアンスを表現するのにも役立ちます。

今回作ったのは硬派な色合いでまとめたゴージャスな刺繍飾り。ミラーに仕立てようと思います。

リュネビル刺繍のミラー飾り

手のひらの2/3くらいのサイズのリュネビル刺繍作品です。
その小さな世界に花や葉っぱのモチーフをモリモリ乗っけて組み立てました。

お花とソレイユスパンコール

さりげなく使ったお花のスパンコールの葉っぱがお気に入り。こういう自己満足的な表現が大好きです。

さて、今回小さな手芸屋さんに新入荷したフランス製スパンコールやチェコビーズはこちら↓↓↓↓↓

この他にもとっておきがありますよ!ぜひお店のサイトも覗いてみてくださいね☆

オートクチュールとリュネビル刺繍のお店 小さな手芸屋さん

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リュネビル刺繍のテクニック

オートクチュールで使われているリュネビル刺繍は、ビーズやスパンコールをつけるため、、、だけではありません。
日本刺繍っぽい感じに見える糸のテクニックもあります。
ポワンティレというステッチです。

裏から見るとちょっとボタンホールステッチにも似ていて、表から見るとサテンステッチ風。

リュネビル刺繍のテクニック

使う糸は普通の刺繍糸でも、ミシン糸でも、お好みで。
オススメは1本取りでクロシェ#90を使うのがいいかなと思います。
また、「釜糸」という繊維が髪の毛の束みたいになった絹糸を使うと日本刺繍みたいな雰囲気になります。
(写真はDMCサテン糸を1本取りを#120でやりました。)

今回の作品では「ソレイユ」という地模様入りのスパンコールも使いました。(ソレイユはフランス語で「太陽」)
輝きがとってもゴージャス!
おしゃれに気を使った感じになるので好んで使ってます。

フランス製ソレイユスパンコール

リュネビル刺繍でビーズやスパンコールの付け方の動画もあるので是非見てみてくださいね!
↓↓↓↓↓↓
オートクチュール刺繍のやり方

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プチ1dayレッスンのお知らせ

先日もお知らせしましたビーズアートショー横浜での1dayレッスンの続報です☆

10日(木)から会場のブース内で予約受付することとなりました。
あとは当日空きができ次第、随時受付いたします。
同時に3名様分しかお席がごお用意できないため、早くに受付終了となる場合もございます。

10、11日は同じブース内で刺繍枠のアポロンさんの講習会もやっています!
grisさんのキットやDMCの糸も見逃せません〜☆


<レッスンの詳細>

小さな手芸屋さん
petit 1 day lesson
「オートクチュール刺繍でつくるポピーサシェ」

2016年11/12 ビーズアートショー横浜 E13-16ブース(gris, ltd) 終了いたしました
¥3,800(材料費込) 1時間半~2時間程度
10:00~15:00随時

⭐︎11/10よりgrisブース(E13-16)にてご予約受付いたします。定員に達し次第、受付終了といたします。

オートクチュール刺繍を体験してみたい、リュネビル針にチャレンジしてみたい、
写真の小さなお花にときめいた……そんな方にぜひ体験していただきたい1 day lessonです。


刺繍糸
dmcの刺繍糸

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色で遊べ!アニマル柄ミニポーチ

いい感じの色のスパンコールが手に入ったのでさっそく作ってみました。
お花柄とかモチーフ仕立てには少し飽きてしまったので、今回取り入れたのはジラフ柄(キリンさん)。

いつもは刺繍しているうちにあれもこれもと盛りに盛りまくってしまうのですが、今回はあえて我慢。
シンプルにスパンコールだけを使って、余白も残して、色とタッチで遊んでみました。楽しかったです。

水玉とかハート柄とかでやってもきっと可愛いですよね。
簡単な幾何学柄やアニマル柄は、絵を描くのがそんなに難しくないのでデッサンで頭を抱えなくて済むところが好きです。

色数が少ないとちょっと地味になりそうですが、このようにマルチカラーにすれば気の利いた感じになります。
全然合いそうにないな〜って色も出来上がってしまえば溶け込んでいたりスパイスになったり。
上手くいくコツとしては、まんべんなく色の重さを散らばせる、、、という感じでしょうか。

さて、今回使ったイタリア製スパンコールはこちら↓↓↓↓↓
どれも絶妙な色合いでお気に入りになりました!

【糸通しスパンコール】4mm平 マットピンク【1000枚】

【糸通しスパンコール】4mm平 マットパープル【1000枚】

【糸通しスパンコール】4mm平 マットロイヤルブルー【1000枚】

【糸通しスパンコール】4mm平 マットウォーターグリーン【1000枚】

【糸通しスパンコール】4mm平 サテンシャンパンゴールド【1000枚】

【糸通しスパンコール】4mm亀甲 ブルーペトロール【1000枚】

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刺繍に使える意外なもの・・・インテリアにぴったり!

それはじつは、ザル。
やればできる子でした。

なんで思いついたかというと、たまたまikeaのカタログ(毎回楽しみ♩)で見つけたこのイス。↓↓↓↓↓

なんかカゴっぽくて可愛いな〜(カゴが好き)

チープだから作れそう

家にある手近なもので何かできないか

ザルが丁度いい!!思わず走り書き、、、となったわけです。

ザルは刺繍の下絵を描いてもすごく見づらいし持ちにくいしで、とても刺繍し辛いのですが、なんか楽しいです。
もうちょっと色々な柄や大きさで試してみたくなります。

たくさん作ってビーズアートショーの時のお買い物カゴにできたらすごくステキ☆
やりたいことがまたひとつ増えました。

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オートクチュール刺繍のレッスン

手軽に楽しく、でも指導は本格的に、、、をモットーに、小さな手芸屋さんが手がけるオートクチュール刺繍のレッスンです。
初めての基礎から応用まで、少しずつレベルアップして作品作りをしていきます。

クロシェ・ド・リュネビルという特殊なカギ針を使って、ビーズやスパンコールをゴージャスに刺繍することができるようになります。
フランス刺繍やリボン刺繍など、ビーズ刺繍以外のテクニックも盛りだくさんです。
憧れのキラキラとした作品がご自分のものとなりますよ〜

レッスンの作品


リュネビル刺繍のステッチリュネビル刺繍のステッチ
リュネビル刺繍のステッチリュネビル刺繍のステッチ
リュネビル刺繍のステッチリュネビル刺繍のステッチ
リュネビル刺繍のステッチリュネビル刺繍のステッチ

学べる技法

リュネビル刺繍・・・基礎、チェーンステッチ、ビーズ&スパンコール付け、ランプリサージュ、ポワンティレ、ヴェルミセルなど
マントゥーズ法・・・サテンステッチ、ブラージュ、ポワンブローニュ、ポワングレン、ポワンブクレット、リボンなど
その他、一般的なビーズ刺繍やモチーフ・ブローチ仕立てなど

レッスンの詳細

場所:ヴォーグ学園横浜校
日時:毎月第4土曜日 午前クラス(10:30-12:30)
   毎月第4土曜日 午後クラス(13:30-15:30)
   毎月第1日曜日 午前クラス(10:30-12:30)

お申し込み・料金詳細はヴォーグ学園横浜校にて承っております。

フランス本場のテクニック、オートクチュール刺繍の世界を一緒に楽しみましょう〜☆

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